百人一首No52『明けぬれば暮るるものとは知りながら』解説〜意味・品詞分解

はじめに

今回は百人一首No52『明けぬれば暮るるものとは知りながらなほうらめしき朝ぼらけかな』を解説していきます。

この歌の作者は藤原道信朝臣(ふじわらのみちのぶあそん)(972〜994)。

和歌の才能に恵まれていましたが23歳の若さで死去。

『明けぬれば暮るるものとは知りながらなほうらめしき朝ぼらけかな』の意味・現代語訳は以下のようになります。

「夜が明けてしまうと、やがて日が暮れ、あなたにまた逢うことができるとはわかっているものの、それでもやはり恨めしい夜明けであるよ」

明け…カ行下二段活用の連用形

ぬれ…完了の助動詞の已然形

ば…接続助詞

暮るる…ラ行下二段活用の連体形

もの…名詞

と…格助詞

は…係助詞

知り…ラ行四段活用の連用形

ながら…逆接の接続助詞

なほ…副詞、「そうはいってもやはり」の意味

うらめしき…形容詞シク活用の連体形に

朝ぼらけ…名詞、夜明け方

かな…終助詞

この記事は『シグマベスト原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。