鬼女、山姥、鬼婆、紅葉、橋姫…女性の姿をした怖い鬼たちを紹介

はじめに

今回は女性の姿をした怖い鬼たちを紹介していきたいと思います。

女性の姿をした鬼たち

鬼女とは?

鬼女とは単に鬼の女版という存在にとどまっているわけではなく、昔から弱い立場にたたされてきた女性の、押し隠した嫉妬や恨み、悲しみが積もりに積もって恐ろしい姿になってしまった悲しげな存在でもあります。

紅葉

紅葉とは?

紅葉とは、信濃国の戸隠山に棲んでいたという伝説が残っている鬼女。

戸隠山の紅葉は美女の姿をしています。下の盃に注目。彼女の本当の姿が映されています。

『紅葉狩』

能や浄瑠璃、歌舞伎の『紅葉狩』では、戸隠山に来た武将の平維茂が謎の姫と侍女たちが宴を開いているところに遭遇します。

しかし、維茂がうたた寝をすると、姫が山奥に姿を消してしまいます。

目を覚ました維茂は、姫の正体を知ろうと山奥へと向かいますが、姫が鬼女「更科姫」だと知り山神に与えられた神剣を使って切り伏せます。

山姥

山姥は山に入ってくる人間を食べてしまう鬼女です。

しかし、人間の味方になるときもあり、源頼光の家来である坂田公時、金太郎として知られる彼は、母が山姥で、父は赤龍だとされています。

金太郎と山姥

鬼婆

「鬼婆」とは老婆の鬼。福島県二本松市にある安達ケ原に棲み、人を喰らっていたという「安達ケ原の鬼婆」が中でも有名です。

京の都の公家屋敷の乳母の女性が不治の病に侵された姫を治すべく、特効薬である胎児の生き肝を得ようと安達ケ原で宿を開き、妊婦が訪れるのを待ち続けました。

それなら数年後、彼女は妊婦を殺してようやく胎児を手に入れますが、彼女は昔、京に置いてきた自分の実の娘でした。乳母は深い悲しみから、人肉を狙う鬼婆となったと言われています。

この恐ろしく、悲しい物語は能の『黒塚』などの原型になっています。

橋姫

橋姫は古い大きな橋では外敵の侵入を防ぐ橋の守護神として祀られています。

江戸時代の思想書『艶道通鑑』によると、ある司の長男が、夫婦の約束をした女を裏切って別の娘と契ってしまい、女は宇治川に七日七晩身を浸し、生きながら鬼と化したのが橋姫だとされています。

参考文献

この記事は『完全ガイドシリーズ324 日本の妖怪と幽霊 完全ガイド』を参考にしています。

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絵をふんだんに用いて初心者にも分かりやすく解説。日本の歴史や文化も派生して学べるのが特徴です。

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