百人一首No78『淡路島かよふ千鳥の鳴く声に』解説〜作者、意味、品詞分解、倒置法

はじめに

今回は百人一首のNo78『淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関守』を解説していきます。

『淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関守』解説

作者は?

この歌の作者は源兼昌(みなもとのかねまさ)。

十二世紀初めの人で、堀河院歌壇の一員として活躍しましたが、詳しい経歴は不明です。

意味は?

『淡路島かよふ千鳥の鳴く声にいく夜寝覚めぬ須磨の関守』の意味・現代語訳は以下のようになります。

「淡路島から通ってくる千鳥の鳴く声のために、幾夜目を覚ましたことか、須磨の関守は」

傍から見ていると何とも微笑ましい光景ですが、当の関守からすると良い迷惑だったかもしれません笑

品詞分解は?

①淡路島

淡路島…名詞

②かよふ千鳥の

かよふ…ハ行四段活用の連体形

千鳥の…名詞

の…格助詞

③鳴く声に

鳴く…カ行四段活用の連体形

声…名詞

に…格助詞

④いく夜寝覚めぬ

いく夜…名詞

寝覚め…マ行下二段活用の連用形

ぬ…完了の助動詞の終止形

⑤須磨の関守

須磨…固有名詞

の…格助詞

関守…名詞

体言止めですね。

倒置法は?

④と⑤は語順が入れ替わっているので倒置法が使われています。

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。