百人一首No54『忘れじの行く末まではかたければ』解説〜意味、品詞分解

はじめに

今回は百人一首のNo54『忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな』を解説していきます。

『忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな』解説

作者は?

この歌の作者は儀同三司母(ぎどうさんしのはは)(?〜999)。名は貴子(きし)といいます。藤原道隆の妻です。

意味は?

『忘れじの行く末まではかたければ今日を限りの命ともがな』の意味は以下のようになります。

「いつまでも忘れまい、とおっしゃるおのお言葉が、遠い将来までは頼みにしがたいので、そのお言葉のあった今日という日を最後とする私の命であって欲しいものです」

品詞分解は?

①忘れじの

忘れ…ラ行下二段活用の未然形

じ…打消意思の助動詞の終止形

の…格助詞

②行く末までは

行く末…名詞

まで…副助詞

は…係助詞

③かたければ

かたけれ…形容詞シク活用の已然形、「難しい」の意味

ば…接続助詞

④今日を限りの

今日…名詞

を…格助詞

限り…名詞

の…格助詞

⑤命ともがな

命…名詞

と…格助詞

もがな…終助詞

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。