百人一首No66『もろともにあはれと思へ山桜』解説〜意味、品詞分解、修辞法

はじめに

今回は百人一首No66『もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし』を解説していきます。

『もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし』解説

作者は?

この歌の作者は前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)(1055〜1135)。三条天皇の曽孫で、十二歳で三井寺に入り、熊野などで修行。後に鳥羽天皇やす特典のの護持僧を務めました。

意味は?

『もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし』の意味は以下のようになります。

「私が御前をしみじみといとしく思うように、お前もまた私のことをしみじみいとしいと思ってくれ、山桜よ。花であるお前以外に心を知る人もいないのだから」

品詞分解は?

①もろともに

もろともに…副詞、「一緒に」の意味

②あはれと思へ

あはれ…形容動詞の語幹、しみじみとしみ入る感動

思へ…ハ行四段活用の命令形

③山桜

山桜…名詞

④花よりほかに

花…名詞

より..格助詞

ほか…名詞

に…格助詞

⑤知る人

知る…ラ行四段活用の連体形

人…名詞

も…かかって

なし…形容詞ク活用の終止形

修辞法は?

擬人法

この歌は山桜に呼びかける、つまり山を擬人化しています。

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。