百人一首No42『契りきなかたみに袖をしぼりつつ』解説〜作者、意味、句切れ、倒置法、品詞分解

はじめに

今回は百人一首のNo42『契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは』を解説していきます。

『契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは』解説

作者は?

この歌の作者は清原元輔(きよはらのもとすけ)(908〜990)。

清少納言の父で、三十六歌仙の一人です。『後撰集』の編纂などに関わりました。

意味は?

『契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは』の意味は以下のようになります。

「約束したことだったよ。互いに涙に濡らした袖をしぼっては、末の松山を波が越さないように二人の心が変わらないということを」

品詞分解は?

①契りきな

契り…ラ行四段活用の連用形

き…過去の助動詞の終止形

な…終助詞、感動を表します

②かたみに袖を

かたみに…副詞、「互いに」の意味

袖…名詞

を…格助詞

③しぼりつつ

しぼり…ラ行四段活用の連用形

つつ…接続助詞

④末の松山

末の松山…固有名詞、宮城県の多賀城市あたりの地名

⑤波越さじとは

波…名詞

越さ…サ行四段活用の未然形

じ…打消推量の助動詞の終止形

と…格助詞

は…係助詞

句切れは?

この歌は初句切れとなっています。終助詞の「な」が来ていることからも分かります。

倒置法

意味上の語順は②③④⑤→①となるためこの歌は倒置法が用いられています。

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。