はじめに
今回はオルセー美術館所蔵、ロートレックの『踊るジャンヌ・アヴリル』について解説します。
ロートレックとは?
ロートレックとは?
本名アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファ。
一般的に姓は「トゥールーズ=ロートレック」、または単に「ロートレック」と呼ばれることが多い、フランスの画家です。
特徴
ロートレックは自身が身体的特徴から差別を受けていたためか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感し、パリのムーラン・ルージュをはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸りました。旺盛な性欲をもとに娼婦たちと頻繁に関係を持つデカダンな生活を送り、彼女らを愛情のこもった筆致で描きました。
作品には「ムーラン・ルージュ」などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも美術史上に特筆されるべき画家です。
また、彼のポスターやリトグラフは日本美術から強い影響を受けていると言われています。
ポスター
代表的な絵
『踊るジャンヌ・アヴリル』解説
ジャンヌ・アヴリルとは?
ジャンヌ・アヴリルとは「ムーランルージュ」の踊子で、ロートレックが愛した女性の一人。
彼女はイギリスの貴族と高級娼婦の間にできた私生児で、母親は彼女が幼い頃から物乞いをさせたり歌を歌わせたり、売春を強いていました。
そんな苦難の道を歩いてきたにも関わらず、ジャンヌは絵画や文学を好み、その話題について議論ができるほどの教養を持ち合わせていました。彼女の友人には作家のモーリス・バレスや詩人のアーサー・シモンズなどがいました。
『踊るジャンヌ・アヴリヌ』解説
優雅な服装のジャンヌが彼女独特の脚を横に突き出しながら一人っきりで踊っているところを捉えています。
後方のむつまじげな男女の存在に気づきもせぬように背を向けており、彼女の冷静で落ち着いた雰囲気が表現されています。
参考文献
画家大友義博
『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)
美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう
高階秀爾
『ヴィヴァン 新装版・25人の画家 第13巻 ロートレック』(高階秀爾監修、千葉順解説・編集)
ロートレックの絵1枚1枚について丁寧に解説されています。
オルセー美術館 基本情報
開館日・休館日
開館日
火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります)
木曜日9:30~21:45(21:00から閉館準備が始まります)
休館日
毎週月曜日、5月1 日、12月25日
団体の来館時間は、火曜日から土曜日9:30~16:00、木曜日 20:00までとなります。予約が必要。
所要時間
一般には2~3時間と言われています。ただ、美術が本気で好きな方なら丸1日でも足りないとも言われています。
チケット
オンラインのサイトから購入が可能です(フランス語や英語などの外国語のみ)。
外国語が分からないよ、という方は現地で購入もできます。待ち時間は0分~20分程度。20分というと長く聞こえますが、待っている間にも各国からきた観光客の様子やセーヌ川を眺めているとそこまで退屈はしないのではないでしょうか。
ランチ
レストラン
営業時間 火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 11:45~17:30
木曜日11:45~14:45、19:00~21:30
カフェ・カンパーナ
営業時間 火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 10:30~17:00
木曜日 11:00~21:00まで
カフェ・ド・ルウス
営業時間 9:30~16:45、木曜日19:45まで
お土産
美術館の入り口のすぐそば、または展示コースの内部にもあります。ショップには美術館ガイドブックから写真集・画集まで幅広い書籍が取り揃えられています。また美術館の作品に着想を得たグッズの他、ポストカードや文房具類など、オルセー美術館の思い出になるものばかりです。
営業時間
ミュージアム・ショップ: 9:30~18:00、木曜日21:30まで
販売カウンター: 9:30~18:00、木曜日は21:00まで