源氏物語のあらすじ・内容紹介②〜帚木・空蝉・夕顔

はじめに 

今回は源氏物語の帚木三帖、つまり帚木巻、空蝉巻、夕顔巻のあらすじ・内容を紹介していきたいと思います。

源氏物語 あらすじ・内容紹介

帚木

帚木の冒頭には「雨夜の品定」と呼ばれる女性論が置かれています。

五月雨が降る夜、光源氏が宮中で宿直をしているところに、頭中将(葵の上の兄)ら仲間の貴公子たちが訪れて、各々自分の恋愛体験を語り、女性を三つの品(上流・中流・下流)の階級に分けて論じます。光源氏はこの話し合いを契機に、それまで交渉のなかった中流の女性に興味を持つようになります。

そして、光源氏は方違え(外出の際に縁起の悪い方角を避けるため、前夜に別の方角の家に泊まったりすること)の際に紀伊守邸で、紀伊守の継母の空蝉という中流の女性と契を結びます。

空蝉も光源氏に惹かれますが、あまりの立場の違いから距離をとってしまいます。

空蝉

光源氏は空蝉への思いを断つことが出来ず、空蝉の弟の力を借りて彼女の寝所に近づきます。

しかし、空蝉はその気配を察知し、蝉が脱皮するかのように小袿を脱ぎ捨てて逃げてしまいます。この出来事が、彼女の空蝉という名前(蝉の抜け殻)の由来となっています。

空蝉と光源氏

夕顔

光源氏は葵の上や六条御息所のような上流の女性に息苦しさを感じていました。

そんな折に、中流でおっとりとした夕顔(夕顔の花の咲く家に住んでいたことから)に出会い、彼女とも関係を持ちます。

しかし、夕顔は光源氏と一夜を過ごした某院で急死してしまいます。その後、夕顔の正体が「雨夜の品定め」で頭中将が忘れずにいると話していた女性であることが判明し、さらには二人の間に女の子が生まれていたことも判明します。この女の子は後に玉鬘(たまかずら)と呼ばれます。行方が分からなかったため、光源氏はこの子を引き取ることが出来ませんでした。

参考文献

この記事は『はじめて読む源氏物語』(藤原克己監修)を参考にしています。

知識ゼロからでも分かるように書いてくれているので、興味はあるけど取っつきにくいという方にもオススメの一冊です。