ルーベンス『キリスト昇架』『キリスト降架』について解説

はじめに

今回はベルギー、アントワープのノートルダム大聖堂所蔵、ルーベンスの『キリスト昇架』『キリスト降架』について解説していきます。

ノートルダム大聖堂、聖母大聖堂とも。Wikipediaより引用

『キリスト昇架』『キリスト降架』解説

読み方は?

それぞれ、昇架(しょうか)・降架(こうか)と読みます

『キリスト昇架』

キリストが釘付けにされた十字架を、今まさに立てようとする場面が描かれています

『キリスト昇架』(ルーベンス、1611-14年、ノートルダム大聖堂)
どいつもこいつもマッチョすぎ笑

強く差し込む光と影、青・赤・黒の強烈な色彩、ギリシャ彫刻を参考にした筋骨隆々の男たちの動きが丹念に描写されています

『フランダースの犬』でネロ少年が最期にこの絵を見ることができたことでも有名です。

ネロとパトラッシュ像もアントワープにあります、画像はWikipediaより引用

『キリスト降架』

磔刑に処されて絶命したキリストが十字架から降ろされる場面で、キリストの死体が崩れ落ちんばかりの躍動感を持って描かれています

『キリスト降架』(ルーベンス、1611-14年、ノートルダム大聖堂)

重くたわんだ肉体の表現力とスポットライトを浴びたような演出がドラマチックな緊張感を創り出しています。右上の男性がくわえた白い布が左下でイエスを受けとめる女性へと流れていくような自然な動きが生み出されています。

参考文献

『西洋美術101鑑賞ガイドブック』(神林恒道、新関伸也編)

非常に読みやすい本なので、興味を持った方は読んでみて下さい。

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。