百人一首No.40『しのぶれど色に出でにけりわが恋は』解説~作者、意味・現代語訳、品詞分解(修辞法)

はじめに

今回は百人一首のNo.40『しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思うと人の問うまで』の解説をしていきます。

『しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思うと人の問うまで』解説

作者は?

作者は平兼盛(?~990)。

三十六歌仙の一人で、百人一首のNo.59に歌が収録されている赤染衛門の実父と言われています。

意味・現代語訳は?

『しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思うと人の問うまで』 の意味・現代語訳は以下のようになります。

「心のうちにこらえてきたけれど、顔色や表情に出てしまっていたのだった。私の恋は、恋のもの思いをしているのかと、人が問うほどまでになって」

「恋をすると人が変わる」と言われますが、これは皆さん思い当たる節があるのではないでしょうか。うきうきした気持ちになり毎日が楽しくて仕方がなくなり、周囲の人達からも「何か良いことあった?」と言われたりします。そんなやりとりというのを、千年も昔から我々はしていたのだということをこの歌は教えてくれます。

背景

この歌は『拾遺集』の詞書で、「天暦御時歌合」で詠まれたと記されています。この歌合いは、天徳四年(960年)に村上天皇の主催で行われたことから、「天徳内裏歌合」と呼ばれています。

この歌合では、百人一首No.41に収録されている壬生忠見の「恋すてふ」の歌と「忍ぶ恋」の題で平兼盛の歌が番えられています。

壬生忠見

この二首の歌については、判者が優劣をつけられずに困っていたところ、帝が「しのぶれど」の歌を口ずさんだことから、この歌の勝ちになったという有名な逸話が残っています。

村上天皇

品詞分解(修辞法)

①しのぶれど

しのぶれ…バ行上二段活用の已然形

ど…接続助詞

②色に出でにけり(区切れ)

色…名詞

に…格助詞

出で…ダ行下二段活用の連用形

に…完了の助動詞の連用形

けり…詠嘆の助動詞の終止形、ここまでで区切れになっています。

③わが恋は

わ…代名詞

が…格助詞

恋…名詞

は…係助詞

④ものや思ふと

もの…名詞

や…係助詞

思ふ…ハ行四段活用の連体形、直前の「や」の係り結びを受けて連体形になっています

と…格助詞

⑤人の問ふまで(倒置法)

人…名詞

の…格助詞

問ふ…ハ行四段活用の連体形

まで…副助詞

意味上、「色に出でにけり」に続くため、ここは倒置法になっています。

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。