目次
はじめに
今回はバルベリーニ宮所蔵、そしてカラヴァッジョ展2019にもやってくる、カラヴァッジョ作『ホロフェルネウスの首を斬るユディット』を解説していきます。
参考文献
この記事は以下の本、文献を参考にしています。
画家大友義博
『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)
美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。
宮下規久朗
『もっと知りたい カラヴァッジョ』(宮下規久朗)
カラヴァッジョの人生、作品についてもっと詳しく知りたくなった方は是非。
カラヴァッジョとは?
カラヴァッジョとは?
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョは、バロック期のイタリア人画家。
ルネサンス期の後に登場し、カラヴァッジョという通称で広く知られ、1593年から1610年にかけて、ローマ、ナポリ、マルタ、シチリアで活動しました。
非常に口が悪いことでも有名です。
主な作品
『ナルキッソス』に関する記事はこちら↓
『ホロフェルネスの首を斬るユディット』解説
モチーフ
本作品は、ユダヤのベツリアの寡婦ユディットが、侍女とともに敵陣に乗り込んで、アッシリアの将軍ホロフェルネスの寝首をかいて故国を救うという旧約聖書外典の物語を扱っています。
数多くの画家がユディットの絵を描いていますが、来日したこともあるクラーナハやクリムトのものが特に有名ではないでしょうか。
クリムトの『ユディットⅠ』に関する記事はこちら↓
当時の反応
この主題は弱き者が信仰によって悪に打ち勝つことを表すものとして中世以来よく表現されてきましたが、カラヴァッジオのように今まさに首をかき斬っている瞬間が描かれたことはありませんでした。
こうした生々しい絵は当時としては衝撃的だったに違いなく、カラヴァッジョから珍しく優れた画家と認められていたアンニーバレ・クラッチはこの絵について「あまりにも生々しすぎる」と言ったとのことです。
『ホロフェルネスの首を斬るユディット』解説
嫌悪の表情を浮かべるユディット、驚愕と恐怖の悲鳴をあげるホロフェルネス、そして、思わず袋を握る手に力が入り、この惨劇に目をむいて凝視する従者の老婆など、三者の表情と身振りが見事に表現されており、斬新な歴史画が生み出されています。
ホロフェルネスの首の位置が当初より右にずらすように修正されており、当時何度も行われていた公開処刑に触発されたと考えられます。
ユディットの胸は明るく照らされ、ホロフェルネスの胸は陰となっており、明と暗の対比がそのまま生の死の対比となり、劇的な場面をより際立たせています。
お土産 Souvenir
ここまでお疲れさまでした。良かったらお土産もご覧ください。