バレエ『椿姫』解説〜あらすじ、見どころ

はじめに

今回は、バレエ『椿姫』(ジョン・ノイマイヤー版)を解説していきます。

『椿姫』(ジョン・ノイマイヤー版)解説

基本情報

原作

アレクサンドル・デュマ・フィス

音楽

フレデリック・ショパン

美術

ユルゲン・ローゼ

初演

1978年11月4日シュツットガルトバレエ団

構成

プロローグ付全3幕

あらすじ

プロローグ

舞台はパリのアパルトマン。亡くなったマルグリット・ゴーティエの全財産が競売にかけられています。

そこへマルグリットの恋人アルマン・デュヴァルが駆け込んできて、父親にこれまでの出来事を語り始めます。

第1幕

舞台はパリ、ヴァリエテ座。バレエ『マノン』が上映されています。美貌のマルグリットに思いを寄せている青年アルマンは、ここで初めて彼女に紹介されます。

マルグリットとアルマンは、バレエの主人公マノンとデ・グリューの境遇に自分の姿を重ねます。

公演が終わり、自宅に戻ったマルグリットを咳の発作が襲います。後を追ってきたアルマンはマルグリットに愛を告白し、二人は恋に落ちていきます。

派手な生活を続けていたマルグリットは咳の発作が止まりません。彼女の健康を心配した公爵が田舎の別荘を貸してくれることになります。

第2幕

舞台は田舎へ。

公爵のおかげでマルグリットはぜいたくに暮らしています。ところが、公爵にアルマンとの密会の場を見られてしまい、公爵は怒ってその場を去ります。

しばしの間、二人きりの幸せを堪能するマルグリットとアルマンですが、アルマンの留守中に彼の父親が突然来訪。父親はマルグリットに息子と別れるように説得します。

彼女はパリへ戻り、アルマンは恋人の裏切りに絶望します。

第3幕

舞台はシャンゼリゼ。

時は経っており、二人はパリで偶然に再開します。病に冒されたマルグリットはアルマンに別れを告げにやってきますが二人の情熱は再び燃え上がります。マルグリットは『マノン』の幻影に惑わされ、アルマンのもとを離れていきます。

舞台はとある舞踏会へ移ります。アルマンはマルグリットにこれまでの報酬として札束の入った手紙。渡しますが、侮辱されたマルグリットは傷つき崩れ落ちます。

ここでアルマン回想が終わります。マルグリットが残した日記から自分への深い想いを知ったアルマンは深い悲しみに沈みます。

見どころ

プロローグの段階でヒロインが亡くなっていることが分かっているので、それを知った上で主人公たちのロマンスを見ていくというのも切ない。

見どころは何といってもショパンの音楽にのせたダンス。第1幕『出会いのパ・ド・ドゥ』のピアノ協奏曲第2番第2楽章、第2幕の『城のパ・ド・ドゥ』のピアノ・ソナタ第3番第3楽章、第3幕の黒衣のパ・ド・ドゥのバラード第1楽章など、いずれもドラマティックで見応え十分。

参考文献

この記事は『名作バレエ70鑑賞入門 「物語」と「みどころ」がよくわかる』(渡辺真弓文・監修)を参考にしています。

分かりやすく書かれているので観劇の前はもちろんですし、バレエに興味はあるけど敷居が高いという方にはオススメです。

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