弥勒菩薩半跏思惟像を解説~読み方・どこにある?二つの像の違いは?

はじめに

今回は弥勒菩薩半跏思惟像について解説していきたいと思います。

『弥勒菩薩半跏思惟像』解説

読み方は?

弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしいぞう)と読みます。

どこにある?

おそらく一番有名とされている半跏思惟像(記事のサムネにもなっているもの)は広隆寺にあります。

広隆寺、Wikipediaより引用

ただ、中宮寺にも別の像があります

中宮寺、Wikipediaより引用
屋根の大きさがまず目に入ってきます。広隆寺と異なる派手な色遣いも印象的です。

広隆寺のものと中宮寺のものの違いは?

一木造り(一本の木から作る)という技法が用いられているかどうかの違いが挙げられます

広隆寺の像は宝冠から頭部、身体を経て、腰かけている布で覆われた円筒形の台座まで、これはただ一本の松の木から彫られています

弥勒菩薩半跏思惟像、7世紀前半、京都広隆寺、Wikipediaより引用
体は小さいのにその存在感ゆえに頼りがいがある気がします。おがみたくなるのも分かる。

ひび割れがないように背部から全体に深く頭部にまで内部がえぐられていますが、その部分は外から見えないように蓋板で被われています。宝冠をいだいた頭部は大ぶりに造られており、それに比して身体や腕は細めであって、ややバランス欠くようにみえますがそれがかえって優美な印象を与えます

一方、中宮寺の半跏像は樟(くす)の木材で頭部は前後に割られ、さらに体部も数個の部分に分けて作られており、一木造が一般的だった飛鳥時代の像としては異例の物です

菩薩半跏像(如意輪観音)、7世紀、奈良、中宮寺
柔らかな表情で有名ですが下から見るとライトアップも相俟って怖い

いまは黒光りしていますが、当初は華やかな彩色像だったそうです。この像は厳格な印象の飛鳥仏とは違って、自然な立体造形を感じさせ、優雅な髷(まげ)を結い上げ、ほのかな笑みを浮かべたやさしい面、身体の各部分のプロモーションも見事です

時代は?

時代に関しては両像とも7世紀、飛鳥時代に作られたものです

飛鳥時代と言えば聖徳太子。法隆寺にある像です。

フィギア

少々高いですが一生ものです。置いておくだけで神聖な空間になりそうですね。

参考文献

『日本美術101鑑賞ガイドブック』

この記事は『日本美術101鑑賞ガイドブック』(神林恒道 新関伸也編)を参考にしています。

仏像に興味ある方は是非!

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