ミレイの『オフィーリア』を解説~森林浴?

はじめに

こんかいはロンドンのテート・ギャラリー所蔵、ジョン・エヴァット・ミレイの『オフィーリア』を解説していきます。

ミレイの写真

『オフィーリア』解説

オフィーリアとは?

「オフィーリア」はシェークスピアの戯曲『ハムレット』に登場する悲劇のヒロインです。父親をハムレットに殺され、悲嘆のあまり川に落ちて死んでいきます。

『オフィーリア』(ウォーターハウス、1894年)
ウォーターハウスの作品。悲劇性は感じられず泉のほとりでのんびりしている乙女にしか見えません。
『オフィーリア』(カバネル、1883年、個人像)
水の中にいる美女を描きたいがためにハムレットの舞台を借りているだけの様にも見えます

『ハムレット』(ミレイ)を解説

『オフィーリア』(ミレイ、1851-52年、テート・ギャラリー所蔵)
樹木希林さんがこの絵を模したポーズを取ったことでも有名ですね
悲劇的な場面のはずですが、オフィーリアは口を開けて歌っているように見えます。題材を知らないと少女がリラックスするのどかな風景画に見えなくもない?

父親を殺されたオフィーリアが悲嘆のあまり川に落ちて死んでゆくという悲劇の場面が描かれています。多くの画家がこのシーンをモチーフにして描いていますが、ミレイはあおむけに川面を流されていく様子を精緻で幻想的な描写で表現しています。

モデルの女性は、後にラファエル前派ロセッティの妻となるエリザベス・シッダルです。

『プロセルピナ』(ロセッティ、1873-77年)
『自画像』(シッダル、1853-54年、個人像)
ラファエル前派の画家達のモデルとなることが多かった彼女ですが、自分自身でも絵を描いていました

ラファエル前派とは?

ラファエル前派とは、19世紀の中頃、ヴィクトリア朝のイギリスで活動した美術家・批評家から成るグループ。19世紀後半の西洋美術において、印象派とならぶ一大運動であった象徴主義美術の先駆と考えられてといます。

特徴としては、中世の伝説や文学、さらに同時代の文学をモチーフにしている点、キリスト教主題を扱うにしても、伝統的な図像を無視することが多い点などが挙げられます。画風は明暗のコントラストの弱い明るい画面、鮮やかな色彩、そして細密描写を特徴とします。

『ロンドン塔エドワード王子とリチャード王子』(ミレイ、1878年、ロイヤルホロウェイ)
題材はシェークスピアの『リチャード3世』

参考文献

この記事は以下の本、文献を参考にしています。

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

有名な絵画について簡単な解説を加えていく雑誌。気軽に読めます。