アムステルダム国立美術館の作品解説~レンブラントの『夜警』

はじめに

今回はアムステルダム国立美術館所蔵、レンブラントの『夜警』について解説していきます。

レンブラントとは?

レンブラントとは?

レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レインは、ネーデルラント連邦共和国の画家です。

『自画像』(1661年、アムステルダム国立美術館所蔵)

大画面と、光と影の明暗を明確にする技法を得意とするなど、派手さと動的さを特徴とするバロック期の代表的な芸術家です

バロックとは?

バロックとは16世紀末から17世紀にかけてヨーロッパに広がった芸術運動

宗教改革を受けてキリスト教がカトリックとプロテスタントに大きく分かれ、カトリック教会ではかつての宗教画をさらに劇的にする絵画が推奨され、プロテスタント側ではキリストや聖人の絵画を禁止し、富を持った裕福な市民階級の邸宅を飾る肖像画や風景画が描かれていくことになります

カトリック側の有名な画家がルーベンス、プロテスタント側がフェルメールやレンブラントです。

『キリスト昇架』(ルーベンス、1610-11年、アントウェルペン聖母マリア大聖堂)
『デルフトの眺望』(1569-60年頃、マウリッツ美術館所蔵)

↑フェルメールの有名な風景画の解説はこちらをご覧ください。

アムステルダム国立美術館所蔵のレンブラントの作品

『エルサレムの街の崩壊を嘆くエレミヤ』(1630年、アムステルダム国立美術館所蔵)
『カプチン派修道士の姿をしたティトゥス』(1660年、アムステルダム国立美術館所蔵)
『ユダヤの花嫁(イサクとリベカ)』(1667年、アムステルダム国立美術館所蔵)

『夜警』解説

『夜警』解説

当時は不動の姿勢で描かれることが一般的だった軍隊や自警団の集団肖像画に、動きの要素を取り入れた革新的な本作。隊員はそれぞれ異なった方向に体を向け、動きを交錯させることで躍動感をもたらしています

じつはこの絵、近年の修復作業により昼の情景を描写したものと判明しました。

『夜警』(1642年、アムステルダム国立美術館所蔵)
躍動感溢れる警備団。漫画で助太刀が来た場面っぽい。

明暗法を用いることで群像に生き生きとしたドラマチックな表情を与えています。また、中央のコック隊長の左手が画面前方へ伸びて描かれる(短縮法)など、画面全体に奥行を強調し、臨場感を生み出しています

謎の少女

レンブラント光線と呼ばれる斜光で人々が描かれる中で、画面左側にいる少女だけが現実離れした神々しい光に照らされています。

最初の妻サスキアがモデルだと考えられていましたが、現在は否定されており謎を深めています

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

東京藝術大学 布施英利

『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)

パリの美術館に所蔵してある作品を基に美術史を解説。初級→中級前半向け