ゴッホ美術館の作品解説~ロートレックの『ゴッホの肖像』

はじめに

今回はゴッホ美術館所蔵、ロートレックの『ゴッホの肖像』について解説していきます。

ゴッホ美術館

ロートレックとは?

ロートレックとは?

本名アンリ・マリー・レイモン・ド・トゥールーズ=ロートレック=モンファ。

一般的に姓は「トゥールーズ=ロートレック」、または単に「ロートレック」と呼ばれることが多い、フランスの画家です。

特徴

ロートレックは自身が身体的特徴から差別を受けていたためか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感し、パリのムーラン・ルージュをはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸りました。旺盛な性欲をもとに娼婦たちと頻繁に関係を持つデカダンな生活を送り、彼女らを愛情のこもった筆致で描きました

作品には「ムーラン・ルージュ」などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも美術史上に特筆されるべき画家です

また、彼のポスターやリトグラフは日本美術から強い影響を受けていると言われています

『ディヴァン・ジャポネ』(1892年)

ポスター

『ムーランルージュのラ・グリュ』1891年
『アンバサドールのアリスティード・ブリュアン』(1892年)

代表的な絵

『ムーラン・ルージュの舞踏会』(1890年、フィラデルフィア美術館所蔵)
『ムーランルージュにて』(1892年、シカゴ美術館所蔵)
『ムーラン通りのサロン』(1894年、トゥールズ=ロートレック美術館所蔵)

『ゴッホの肖像』解説

ゴッホとロートレック

ロートレックは、1886年オランダから出てきたばかりのゴッホとコルモン画塾で知り合います。

ふたりは12歳という年齢の差、生まれや性格の違いを超えて理解し合い、互いに影響を与え合いました。ゴッホの弟テオを除けば、パリにおいて彼の心情や絵画を一番理解したのはロートレックだったとも考えられます

『ゴッホの肖像』解説

『ゴッホの肖像』(1887年、ゴッホ美術館所蔵)

絵の中のヴァン・ゴッホはかなり気難しい顔を外光に向けています。

悩める人たちに対する自分の憐みや愛情が誰からも理解されないことから生じる苛立ちの叫び声を心の底に懸命に押し込めているような表情です

この絵でロートレックはヴァン・ゴッホの色彩と技法を借り、線影で人物と背景を描いています

この絵のポーズをとった数か月後、ヴァン・ゴッホはロートレックの勧めに従ってアルルに出発し、そこで病を重くすると同時に、彼の絵画を完成させます。

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう

高階秀爾

『ヴィヴァン 新装版・25人の画家 第13巻 ロートレック』(高階秀爾監修、千葉順解説・編集)

ロートレックの絵1枚1枚について丁寧に解説されています。