クレラ=ミュラー美術館作品解説~ゴッホの『夜のカフェテラス』

はじめに

今回はクレラ=ミュラー美術館所蔵、ファン・ゴッホの『夜のカフェテラス』について解説していきます。

モデルとなったカフェ

参考文献

この記事は以下の本、文献を参考にしています。

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

ゴッホとは?

ゴッホとは?

フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、オランダのポスト印象派の画家です

現存するゴッホの唯一の写真
*後に弟のテオの写真だったと判明しました。ゴッホの写真は残っているのでしょうか?

主要作品の多くは1886年以降のフランス居住時代、特にアルル時代とサン=レミでの療養時代に制作されました。

感情の率直な表現、大胆な色使いで知られ、ポスト印象派を代表する画家です。

ポスト印象派とは?

ポスト印象派 または、ポスト印象主義は、印象派の後にフランスを中心として主に1880年代から活躍した画家たちを指す便宜的な呼称です。

この区分は印象派に対する態度によるものであることから、様式的な共通性は希薄であり、それぞれの画家の画風は大きく異なります。

代表的な画家はゴッホの他にセザンヌ、ゴーギャンなどです。

『リンゴとオレンジ』(セザンヌ、1899年、オルセー美術館所蔵)
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』(ゴーギャン、1897-98年、ボストン美術館所蔵)

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ゴッホの特徴

ゴッホがそれまでの印象派と大きく異なったのは、色彩を光の表現だけでなく、感情を表現するものと考えたことです。

『ラザロの復活』(ゴッホ、1890年、ゴッホ美術館所蔵)
色彩の鮮やかさは確かに素晴らしいですが、少々暑苦しい気もします…砂漠にいるみたい

ゴッホは向日葵を見ても星空を見ても、そこに人間的な感情を感じ取り、色彩や形やタッチでそれを表現しようとしました。印象派は自分の目に映ったままを表現しようとしましたが、ゴッホはそこに自らの感情を投影しようとしたのです

ゴッホの有名な作品

ゴッホの有名な作品を紹介していきます。

『ひまわり』連作

1882年2月、ゴッホはパリから南フランスのアルルに移ります。パリに住んでいたころから日本へのあこがれを抱いていたゴッホは、アルルの澄んだ空気、きれいな水、黄色く輝く太陽をまるで日本の様だと感じたようです。

同年8月、ゴッホは『ひまわり』の連作を描き始めます。遅れてこの地にやってくる画家仲間、ゴーギャンの部屋を飾るためです。

1888年、個人像
1888年、滅失
1888年、ノイエ・ピナコテーク所蔵
1888-89年、ロンドンナショナルギャラリー所蔵
1889年、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館所蔵
1889年、ファン・ゴッホ美術館所蔵
1889年、フィラデルフィア美術館所蔵

『夜のカフェテラス』

『夜のカフェテラス』(1888年、クレラ・ミュラー美術館所蔵)

『星月夜』

『星月夜』(1889年、ニューヨーク近代美術館所蔵)

耳のない『自画像』

数多くの自画像を残しているゴッホですが、おそらく最も有名な一枚。

右耳は既に失われています。

『自画像』(1889年、オルセー美術館所蔵)

『夜のカフェテラス』解説

モデルとなったカフェ Wikipediaより引用

『夜のカフェテラス』解説

アルルのラマルティーヌ広場にあるカフェの内部を描いた『夜のカフェ』と同時期に、ゴッホはフォルム広場にある大きなガス燈の光に照らし出されたカフェテラスの夜景を描いています

『夜のカフェテラス』(1888年、クレラ・ミュラー美術館所蔵)

青と黄色というゴッホの好んだ色彩の対比が見事に生かされていて、清新な印象を与える作品となっています。この鮮烈な色彩とタッチによる表現は、ゴッホならではのもの

「夜の情景や夜の効果をその場で描き出すこと、さらには夜そのものを描くこと、これが今僕の興味の中心なのだ」と当時のゴッホは綴っています。

『夜のカフェ』(1888年、イェール大学美術館所蔵)

今回紹介した絵も登場するゴッホの映画はこちら↓