東京ステーションギャラリーで開催中、岸田劉生展に行ってきました〜感想とレビュー

はじめに

現在東京ステーションギャラリーで開催中の岸田劉生展に行ってきましたので、感想やレビューなどを書いていきたいと思います。

美術館は東京駅内にあります
東京駅はもはや建物自体が芸術作品です

混雑・混み具合

土曜日のお昼に行きましたが、館内は空いており、ゆっくりと鑑賞することができました。チケット売り場に並ぶほどの混雑は中々起こらないのではないかと思われます(参考程度に)。

感想・レビュー

全体としては「日本的なモチーフを西洋画の技法を取り入れながら描いている」という印象でした

ゴッホ・ゴーギャンからの影響

展示コーナーの第一章「「第二の誕生」まで」には、ゴッホの強いタッチやゴーギャンの色彩に影響されたと思われる(特に虎ノ門や築地居留地などはゴーギャンの作品の都市版の様な感じです)作品が展示されています。美術館の解説にはこの二人の名前が挙げられていましたが、No12『銀座と数寄屋橋畔』など、フランス印象派の光と影を思い起こさせる作品も。

『道路と土手と塀(切通之写生)』

何といっても印象的だったのが、代表作にも挙げられる『道路と土手と塀(切通之写生)』

美術館の解説には「生き物のように」と書いてありましたが、その表現にも納得です。道路のうねりは命を持っているかの様な印象を与え、歪んだタッチは不安な気持ちを呼び起こします。人が誰も描かれていないのも不気味さを際立たせます

『道路と土手と塀(切通之写生)』(岸田劉生、1915年、東京国立近代美術館)
「暑い…もう歩きたくない…」
短い坂道でも疲れているとこう見える?

風景に命を吹き込むと言えばゴッホが真っ先に頭に浮かんで来ますが、ゴッホよりも描写の写実性は保たれており、このシュールさというか不気味さは、ダリなどシュールレアリスムの絵にも似ていると個人的には感じました

『糸杉と星の見える道』(ゴッホ、1890年、クレラ=ミュラー美術館)
うだるような暑さが絵全体から伝わってきます

林檎の黒いオーラ―

岸田劉生はリンゴをモチーフにした絵も多く描いています。

『壺の上に林檎が載って在る』(岸田劉生、1916年、東京国立近代美術館)
壺と林檎が黒いオーラ―を放っているようにも見えます

林檎の静物画を見て存在論だとか実在論にまで言及するのはやりすぎな感がありますが、彼の絵の林檎が存在感を放っているというのも事実。少し不気味な雰囲気のする林檎画が多かったです

おわりに

全体としては落ち着いた雰囲気や色彩の絵が多く、個人的にはリラックスした時間を過ごすことが出来ました。楽しかったです

娘である麗子の作品では西洋的な画風を用いて自然に日本的なモチーフ(着物や人)を描くことに成功していたように思えられます(モネの着物を着たカミーユはいくら何でもはしゃぎすぎでした笑)。展覧会の一番最後に飾ってあった風景画は逆に印象派の作品にしか見えず、劉生の勉強熱心さを伺えます。

『ラ・ジャポネーズ』(モネ、1876年、ボストン美術館)
こちらはモチーフの輸入ですが、大量に描かれた扇子などやりすぎな感はあります

いびつではなく自然な形で西洋文化を取り入れた画家」と劉生のことは評せるのではないでしょうか

東京ステーションギャラリーは名前の如く東京駅内にありアクセスの良さは抜群なので、興味があれば是非