はじめに
今回はウィーン美術史美術館所蔵、フェルメールの『絵画芸術』について解説していきます。
フェルメールとは?
フェルメールとは?
ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer 1632年-1675年)は、ネーデルラント連邦共和国(オランダ)の画家で、バロック期を代表する画家の1人です。
映像のような写実的な手法と綿密な空間構成そして光による巧みな質感表現を特徴としています。
さらに、当時アムステルダムでは市民社会が成立し識字率が向上していたため、手紙を読む女性市民が多く絵に出てくることも特徴です。
本名ヤン・ファン・デル・メール・ファン・デルフト。
バロックとは?
バロックとは、16世紀末から17世紀初頭にかけイタリアのローマ、マントヴァ、ヴェネツィア、フィレンツェで誕生し、ヨーロッパの大部分へと急速に広まった美術・文化の様式。
バロック芸術は秩序と運動の矛盾を超越するための大胆な試みとしてルネサンスの芸術運動の後に始まりました
権威回復を目指すカトリック教会は絵画の「観る聖書化」を進め、質素倹約を標榜するプロテスタントでは、市民などを描き、聖書的モチーフを避けました。
フェルメールの他にも、フランドルのルーベンス(1577-1640)、オランダのレンブラント(1606年 – 1669)が有名です。
どちらも劇的で派手であることが特徴です。
↓レンブラントの『夜警』についてはこちらを参照
フェルメールの作品
フェルメールの映画
フェルメールを題材にした映画も何作か作られています。
『真珠の耳飾りの少女』(2003年)
『絵画芸術』解説
多くの美術史家が絵画に対する寓意画(=比喩をもちいた絵画)だと考えており、モデルの少女は学芸の女神クレイオだとしています。
左手に抱える書物は「知恵」や「知識」、または過去の記録を示す「歴史」を表し、月桂樹は「勝利」を、トランペットは「名声」を意味し、その真っ直ぐな形は「告知」の象徴でもあります。
フェルメールのアトリエの写実的描写と、室内を照らし出す光の表現にも高い評価が集まっています。
参考文献
画家大友義博
『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)
美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。
東京藝術大学 秋元雄史
『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)
西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。
東京藝術大学 布施英利
『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)
パリの美術館に所蔵してある作品を基にフランス美術を解説。パリに行く人は読んでおきましょう。