はじめに
今回はヨハン・セバスティアン・バッハの『G線上のアリア』を解説します。
『G線上のアリア』解説
「G線上のアリア」の意味とは?
結論から言うと、ヴァイオリンには4本の弦が張られていて、音の高い順にE線、A線、D線、G線と呼ばれているのですが、そのG線のみを使って演奏することが可能なため、この曲は『G線上のアリア』と呼ばれています。
正式名称は?
ただ、この曲の正式名称は『G線上のアリア』ではなく、『管弦楽組曲』第3番の「アリア(エール)」というものです(ちなみに「アリア」とは、ゆったりとしたテンポてま叙情的なメロディをもった歌の形式、およびそのような歌を思わせる器楽曲のことをいいます)。
はじめ、バッハがこの曲を作曲したときも、G線一本で演奏出来るようにしたかったわけでもなく、実際一本の弦では弾けなかったそうです。
では、いつからこの曲は『G線上のアリア』と呼ばれるようになったのでしょうか?
アウグスト・ヴィルへルミの気付き
その原因となったのが、19世紀のドイツのヴァイオリニストであるアウグスト・ヴィルへルミです。彼はこの曲を原曲のニ長調からハ長調に移し替えるとG線だけで弾けることに気づきました。
そこでヴィルへルミは原曲をハ長調に移調し、さらにそこにピアノの伴奏をつけ、G線だけで美しいメロディを奏でました。それ以後、この曲は『G線上のアリア』と呼ばれるようになったのです。
『G線上のアリア』はバッハの曲の中でも特に人気の高い曲であり、誰もが一度は聞いたことのある名曲中の名曲。是非、この曲と一緒にゆったりとした時を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考文献
この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。
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