はじめに
今回はショパンの『スケルツォ』を解説していきます。
『スケルツォ』解説
「スケルツォ」とは?
「スケルツォ」とはイタリア語で「冗談」「気まぐれ」といった意味でもともとはおどけた感じの陽気で軽い曲のことを指していました。
その後、ベートーヴェンが交響曲やピアノ・ソナタなどの第3楽章に速いテンポの3拍子の曲を置き、スケルツォと呼ぶようになりました。そして、やがて19世紀になると独立した小品にもこの名称がつけられるようになりました。
4つあるスケルツォ
ショパンのスケルツォ4曲は全て3部形式で書かれており、いずれも大分深刻な曲調になっています。
第1番は支配国であったロシアのにポーランドのが武装蜂起し、失敗に終わった頃の作曲で、中間部ではポーランドのクリスマスの歌が引用されています。
第2番は日本でも人気が高い曲で、悲しげな曲調の中にも甘美なメロディーが感じられるようになっています。中でも、冒頭の問いかけと応答のようなフレーズが印象的で、その後、下降と上昇を伴う力強く優雅な主部に対し、中間部ではコラール風の主題と華麗な展開が転調を繰り返しながら絡み合って盛り上がり、また主部に戻るという構成になっています。
その後、第3番が1839年、第4番が1842年に作曲されていますが、いずれも難曲とされています。
是非、高難度の技術を堪能してみてください。
参考文献
この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。
音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。