奈良、薬師寺の見どころを紹介〜天皇夫妻愛情の仏像

はじめに

今回は奈良県、薬師寺の見どころを紹介していきたいと思います。

薬師寺 見どころ

歴史

愛の薬師寺

薬師寺は680年、天武天皇によって建立されました。

天武天皇

そのいきさつとして、天皇が皇子の頃からともに苦労を重ねてきた皇后(後の持統天皇)が病に倒れ、その回復を願って天武天皇が藤原京に薬師如来を本尊とする薬師寺を建立したというものがあります。

持統天皇

まさに二人の愛の結晶なんですね。

「凍れる音楽」薬師寺東塔

718年には薬師寺は藤原京から現在地へと移され、薬師信仰の中心として栄えました。平安時代以降は度重なる火災や戦火に見舞われますが、1970年代に再建が始まり、今では創建当時の華やかな姿を甦らせています。

そんな中でも薬師寺東塔は高さ33.6メートルで創建当時のまま残された唯一の建築物です。

大小の屋根のつながりが塔全体に快いリズムを与え、アメリカの美術史家・フェノロサはからは「凍れる音楽」と称されました。

フェノロサ

仏像、薬師如来像

薬師寺の本尊として祀られているのが薬師如来座像です。薬師如来とは病に苦しむ人を救済する仏のこと。先程の天武天皇と持統天皇のエピソードを知っているとしみじみとした感じになりますね。

薬師寺の像は日光菩薩、月光菩薩とともに三尊像の形式がとられています。これは3つの要素が結びついてひとつの教えになっていることを視覚的に分かりやすくするためだといわれています。

手前から日光菩薩、薬師如来、月光菩薩

平安時代の学者・大江通親からは「大安寺の釈迦像を除けば最も優れている」と評された薬師如来像。是非その背景とともに鑑賞して、愛情を感じてきてはいかがでしょうか。

参考文献

この記事は『日本の古寺101選』(廣澤隆之監修)を参考にしています。

お寺に興味のある方はもちろんですが、旅行が好きな方も事前に読んでおくと、旅がぐっと豊かなものになりますよ。