はじめに
今回は百人一首のNo68『心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな』を解説していきます。
『心にもあらでうき世にながらへば恋しかるべき夜半の月かな』解説
作者は?
この歌の作者は三条院(976〜1017)。第六十七代天皇です。
長い東宮時代を経て即位しましたが、在位5年で藤原道長の孫にあたる後一条天皇に譲位し、その翌年に崩御しました。
意味は?
『心にもあらでうき世にながらへば恋ゆえしかるべき夜半の月かな』の意味は以下のようになります。
「心ならずも、このつらくはかない世に生きながらえていたならば、きっと恋しく思い出されるにちがいない、この夜ふけ月であるよ」
品詞分解は?
①心にも
心…名詞
に…断定の助動詞の連用形
も…係助詞
②あらでうき世に
あら…ラ行変格活用の未然形
で…接続助詞
うき世…名詞
に…格助詞
③ながらへば
ながらへ…ハ行下二段活用の未然形
ば…接続助詞
④恋しかるべき
恋しかる…形容詞シク活用の連体形
べき…推量の助動詞の連体形
⑤夜半の月かな
夜半…名詞
の…格助詞
月…名詞
かな…終助詞
参考文献
この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。
百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。