藤沢、清浄光寺の歴史と宗派を紹介〜時宗総本山の遊行寺

はじめに

今回は藤沢、清浄光寺の紹介をしていきたいと思います。

清浄光寺

宗派は?

時宗の総本山

清浄光寺は時宗の総本山となっています。

時宗とは?

時宗とは浄土宗、浄土真宗に続いて登場した浄土系宗派。一遍によって開かれました。

清浄光寺にある一遍の銅像

時宗の特徴は阿弥陀如来を信じなくても信じても関係なく、念仏を称える必要もないとするところにあります。これは、赤ん坊や声が出せない人、手が不自由で念仏が称えられない人に対しても、救いはあると一遍が考えていたことに由来します。

「遊行寺」の名前の由来

清浄光寺は箱根駅伝にも出てくる「遊行寺の坂」の遊行寺という名前でも知られています。

遊行寺の坂

これは清浄光寺の歴代住職を遊行上人といい、「遊行上人が住む寺」という意味で遊行寺と呼ばれるようになったからです。

歴代遊行上人の墓

一遍が布教の旅に出た際に、各地で「南無阿弥陀仏」と書かれた念仏札を配りまわったのですが、この布教方法のことを遊行といいます。

清浄光寺の歴史は?

ルーツは鎌倉時代

清浄光寺のルーツは鎌倉時代。

僧侶・呑海(どんかい)が諸国を放浪しながら念仏札を配って布教を行い、1325年に藤沢の地に寺を建立しました。これが清浄光寺の始まりで、創建当初は清浄光院、藤沢道場と称されていました。

2度の焼失

室町時代に2度焼失しましたが、武家や皇室の信仰があつかったため再建されました。江戸時代に入り、1631年に時宗の総本山として認可を受けます。

歌川広重、東海道五十三次の藤沢に描かれているのも遊行寺

金魚保護施設

江戸時代に生類憐れみの令が出された際には江戸市中の金魚が清浄光寺で保護されたというエピソードもあります。金魚は放生池に放たれ、大切に育てられたと言われています。

参考文献

この記事は『日本の古寺101選』(廣澤隆之監修)を参考にしています。

お寺に興味のある方はもちろんですが、旅行が好きな方も事前に読んでおくと、旅がぐっと豊かなものになりますよ。