能『石橋』解説〜読み方、あらすじ・内容

はじめに

今回は能『石橋』を解説していきます。

『石橋』解説

読み方

「石橋」は「しゃっきょう」と読みます。「いしばし」ではありません。

基本情報

作者

不明

曲籍

五番目物

囃子

太鼓物

上演時間

約70分

曲名

「石橋」(観世・宝生・金春・金剛・喜多)

登場人物

前シテ

童子

後シテ

獅子

ワキ

寂昭法師

あらすじ・内容

出家、浄土へ

朝廷に仕えていた大江定基は、夜の儚さから出家。「寂昭法師」となり、唐・天竺の仏跡を訪ね歩き、清涼山までやってきました。目の前には有名な石橋が見えています。

それはつまり、橋の向こうには文殊菩薩のいる浄土があることになります。法師は人が通りかかるのを待って様子を聞こうとします。

文殊菩薩

寂昭法師と童子

現れたのは童子。寂昭法師が石橋のことを尋ねると、やはり文殊菩薩のいる浄土につながっているとのことです。

寂昭法師は渡りたいといいますが、童子は橋の危なさを説いて、待っていれば間もなく文殊菩薩が現れるからと告げてどこかへ消えてしまいました。

文殊菩薩

獅子の舞

寂昭法師の前に獅子が現れ、石橋の回りの山々に咲き誇る牡丹の花と戯れながら舞遊びます。

参考文献

この記事は『これで眠くならない!能の名曲60選』(中村雅之著)を参考にしています。

観劇の前の予習にはもちろん、能を教養として知っておきたいけど敷居が高いと感じる方にも最初の一冊にオススメです。