ギュスターヴ・クールベの『世界の起源』を解説~近代絵画の「起源」

はじめに

今回は「ヌード界の起源」となった画家、クールベの『世界の起源』について解説していきたいと思います。オルセー美術館に所蔵されているので、是非観に行ってみて下さい。

クールベとは?

クールベの写真

クールベはどんな画家?

クールベは写実派の代表的な画家です

自画像
いっちゃってますね笑

写実派とは?

写実派とは読んで字のごとく、「ありのままを描く」画家達です。

これはあくまで「写真の様に正確に」という意味ではなく、「人々の生活をありのままに」といった意味合いが強いです

そのため、神話や聖書、歴史の一場面というよりは、労働者や農民、市民やブルジョワジーが主要なモチーフとなっています。

『オルナンの埋葬』(1849年、オルセー美術館所蔵)

19世紀後半、フランスでは産業革命が完成に近づき、一気に近代化が進んで富裕層も増加します。

その一方で、複雑化した人間関係の歪みや売春婦の増加など、人間の「陰」の部分が顕著になり、神話の神や聖人、英雄よりも「普通の人」に意識が移っていきました。

中でもクールベはマネとともに近代絵画の先陣を切った画家です。彼らの「ありのままに描く」といった発想が印象派の画家達に受け継がれていきます。まさに近代絵画への扉を開いた画家と言えるでしょう。

『源泉』(1868年、オルセー美術館所蔵)
こんな美しい絵も描ける

クールベの代表作

クールベの代表作は『画家のアトリエ』と『女性の起源』です。

クールベは今で言う「ヌード」の起源です。それ以前のヨーロッパ絵画では、裸体を描く際には、神話や歴史などきちんとした舞台が必要だったのですが、クールベは現実世界にいるとしか思えない女性の裸体を描き始めます。

『画家のアトリエ』(オルセー美術館所蔵)
画面中央で絵を描いているのがクールベと言われています。

『画家のアトリエ』に描かれているのは理想化された美しい体ではなく、ただの服を脱いだ現実の女性です。当然、絵画が「高貴」であるべきだった当時、クールベは大きなバッシングを受けることとなりました。

クールベ『世界の起源』解説

『世界の起源』(オルセー美術館所蔵)
生々し過ぎます。そしてタイトルにもセンスを感じる笑
皮肉にも近代絵画の起源にもなっているわけですね
オルセー美術館で実物を見たのですが、ボウっと薄気味悪く輝いていて、思わず立ち止まってしまいました。他の方々も苦笑いしながらこの絵を見つめていました。

解説

もはやここまでのクールベに関しての解説を読んでくださればもはや不要でしょう。

それまで女性の裸体やを描く際には聖書であれ神話であれ、「言い訳」が必要でした。そのような風潮を打ち破ったのがクールベとマネ。彼らの革新性は日常生活に根付いたエロスを描いたということです。

実はこの作品、歌川国芳の「大開絵」と呼ばれる描写から影響を受けていると言われています。日本の浮世絵がフランスの美術界を混乱に陥れてしまったのかもしれませんね笑

世界の起源の所蔵

オルセー美術館です。この絵の実物を見たい人はパリのオルセー美術館に行きましょう。

世界の起源 パフォーマンス

ある女性芸術家がこの絵の前で、絵にかいてあるものと自分の同じものを見せるというパフォーマンスをしたことがあります。興味ある方は「世界の起源 パフォーマンス」で動画を調べてみて下さい(ここには載せられません)。

参考文献

秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術史を概観する本です。知識がほとんどないという方は、まずこの一冊から入りましょう。

東京藝術大学 布施英利

『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)

パリの美術館の作品を用いてフランス美術を解説。パリに行く人は読んでおきましょう。

お土産 Souvenir

ヘンタイ美術館

パズル Puzzule

オルセー美術館 基本情報

開館日・休館日

開館日

火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります)

木曜日9:30~21:45(21:00から閉館準備が始まります)

休館日

毎週月曜日、5月1 日、12月25日

団体の来館時間は、火曜日から土曜日9:30~16:00、木曜日 20:00までとなります。予約が必要。

所要時間

一般には2~3時間と言われています。ただ、美術が本気で好きな方なら丸1日でも足りないとも言われています。

チケット

オンラインのサイトから購入が可能です(フランス語や英語などの外国語のみ)。

外国語が分からないよ、という方は現地で購入もできます。待ち時間は0分~20分程度。20分というと長く聞こえますが、待っている間にも各国からきた観光客の様子やセーヌ川を眺めているとそこまで退屈はしないのではないでしょうか。

ランチ

レストラン

営業時間 火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 11:45~17:30

木曜日11:45~14:45、19:00~21:30

 カフェ・カンパーナ

営業時間 火曜日、水曜日、金曜日、土曜日、日曜日 10:30~17:00

木曜日 11:00~21:00まで

カフェ・ド・ルウス

営業時間 9:30~16:45、木曜日19:45まで

お土産

美術館の入り口のすぐそば、または展示コースの内部にもあります。ショップには美術館ガイドブックから写真集・画集まで幅広い書籍が取り揃えられています。また美術館の作品に着想を得たグッズの他、ポストカードや文房具類など、オルセー美術館の思い出になるものばかりです。

営業時間

ミュージアム・ショップ: 9:30~18:00、木曜日21:30まで

販売カウンター: 9:30~18:00、木曜日は21:00まで