佐野創太さん『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!』読書感想文

はじめに

今回は退職学の研究家である佐野創太さんの書かれた『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!』を読みましたので、その感想を書いていきたいと思います。

佐野創太『「会社辞めたい」ループから抜け出そう!』読書感想文

この本を読んで印象に残ったのは以下の二点です。

①本音を把握する「退職成仏ノート」②退職成仏ノートの注意点

順番に述べていきます。

①本音を把握する「退職成仏ノート」

本書には、今の会社が嫌で辞めて転職した後に、また新しい不満が生まれ転職したくなるという「会社辞めたいループ」に陥る人を減らすための思考法が書かれています。

著者は一貫して自身の本音を知ることが重要だと述べており、その本音をしるためのワークがいくつか記載されています。

そのうちの一つが「退職成仏ノート」の作成です。

詳しい手順は是非本書をご覧になってほしいのですが、ざっくり言うと、「職場でイライラした言動や出来事を書き、自分がどう思ったのか書く。なぜ、自分がイライラしたのか、ショックを受けたのか、自分が大切にしている価値観がどう侵害されたのか書いてみる」というものです。

これは私もやってみたのですが効果は絶大で、「普段自分がどのような価値観をを大切にしていたのか」を知ることができました。

人って他人のことはよく見えますが、自分のことを知ることが一番難しいと思います。

ハンターハンターに、相手のことをしりたければその人が何に対して怒りを覚えるのかを理解すること、といったようなセリフがありますが、これを自分にも当てはまるのだということがよく分かりました。

②「退職成仏ノート」の注意点

a.無理にポジティブに変換しない

これ!もうほんとに無意識にストレスになっていたんだって自覚しました!

会社にいるとだいたい何でもポジティブなことを言うように要求される雰囲気があります。これはもう仕方がないのですが、自覚がなくなると危険。

今回、私もこの「退職成仏ノート」を書いてみたのですが、最初はペンが動かないんですよ。誰にも見られてないのに怖くてかけないんです。ネガティブなことを書いた後にも、すぐに「こう改善しなきゃ!」となってしまうんです。

日ごろから自分を甘やかして本当に自分が思っていることを表現できることが重要だとしみじみと感じました。

b.辛くなったらストップ

辛い思い出って人に話すのが難しいですよね。

「何でも話して!」って言われても話せる部分と話せない部分があるのは事実誰にでもあることだと思います。

つまり、誰にも見せないこの「退職成仏ノート」で自分の気持ちに正面から向き合うというのはとても貴重な機会なわけです。

ただ、何も隠さないがゆえに、痛みも顕在化します。

辛かった思い出を可視化するということはいわばパンドラの箱を開けるようなものです。書いているうちに自分は悲しくなってきて普通に号泣しました笑

同時に、ここまで本心と向き合えるタイミングが今までなかったので、著者の方には感謝です。

おわりに

今回は佐野創太さんの『「会社辞めたいループ」から抜け出そう』の読書感想文を書いてみました。

会社辞めたい方はもちろん、最近なんか辛いという方も是非読んでみて下さい!