ジュゼッペ・タルティーニ『悪魔のトリル』解説〜成立、逸話、構成

はじめに

今回はジュゼッペ・タルティーニの『悪魔のトリル』を解説します。

『悪魔のトリル』解説

成立

『悪魔のトリル』とは、18世紀のイタリアの作曲家でヴァイオリニストのジュゼッペ・タルティーニが作曲した『バイオリン・ソナタ』ト短調の通称です。

では、なぜこんな不穏な通称が付いたのでしょうか?

逸話

タルティーニは21歳のとき、ある夢を見ました。

それはタルティーニが悪魔と契約を交わし、魂を引き渡すことで悪魔がヴァイオリンで美しいソナタを弾くというもの。

タルティーニは夢から覚めると、大急ぎで悪魔が奏でたメロディーを書き取りました。こうして出来上がったのが『ヴァイオリン・ソナタ』ト短調で、『悪魔のトリル』というわけです。

構成

「トリル」というのはある音とその2度上下の音を素早く交替させて弾く奏法のことです。

『悪魔のトリル』は3楽章で構成されており、第3楽章にもっとも演奏が難しい箇所が現れます。まさに「悪魔の」トリルなわけです。

是非、悪魔が奏でた美しいトリルに耳を傾けてみませんか?

参考文献

この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。

音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。