はじめに
今回はベートーヴェンの交響曲第6番、「田園」を解説します。
「田園」解説
構成
ベートーヴェンは生涯で9つの交響曲を作曲したのですが、「田園」はその中の6番目、1808年に完成されました。
当時の交響曲ほ一般的に4つの楽章によって構成されてたのですが、「田園」は5楽章によって構成されているのが特徴です。ただ、第3楽章から第5楽章は連続して演奏されるため、第4楽章は第3楽章と第5楽章をつなぐ長い挿入楽節とする見方もあります。
「田園」に関するエピソード
ベートーヴェン自ら命名
実は「田園」は、ベートーヴェン作曲した9つの交響曲のなかで唯一自らが命名した曲です。交響曲以外だとピアノソナタ「告別」など自身で標題をつけていますが、かなりレアなケースであることは確かです。
「田園」の各楽章にもベートーヴェンによって標題がつけられています。第一楽章は「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」、第二楽章は「小川のほとりの情景」、第三楽章は「田舎の人々の楽しい集い」、第四楽章は「雷雨、雨」、第五楽章は「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」となっています。鑑賞の際にはそれぞれの場面を思い浮かべながら聴いてみるのも良いかもしれませんね。
ベートーヴェン自ら指揮
ちなみに、1808年にウィーンのアン・デア・ウィーン劇場で初演された際にはベートーヴェン自らの指揮で演奏が行われました。
田舎を愛したベートーヴェン
ベートーヴェンは田園の風景を愛しており、「どの樹もみな自分に語るではないか。聖なるかな。聖なるかな。森の中は恍惚たり」という言葉を残しています。
ベートーヴェンは夏は田舎で過ごして田舎ですごして大自然に親しむのを喜びとしていたとも言われています。そんな田舎への愛情も「田園」に反映されているのかもしれませんね。
参考文献
この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。
音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。