はじめに
今回はルーブル美術館所蔵、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』について解説していきます。
ドラクロワとは?
ドラクロワとは?
フェルディナン・ヴィクトール・ウジェーヌ・ドラクロワは、フランスの19世紀ロマン主義を代表する画家です。
代表的な作品
『民衆を導く自由の女神』解説
『民衆を導く自由の女神』解説
1830年に起きたフランスの7月革命を主題とし、寓意的アプローチをした作品です。
戦いに倒れ息絶えた兵士と、手に剣や銃を取り同胞の屍を乗り越えて前進する市民の姿が、この革命の猛威と凄惨さを克明に表しています。
中央にはトリコロールカラーの旗を掲げて民衆を鼓舞する「自由の女神」。胸を大きくはだけた大胆な姿ですが、女性は自由を乳房は母性―母なる祖国を、というように、ドラクロワはさまざまな理念を比喩で表現しています。
構図
自由の女神がこの絵の主人公ですが、激しい動きなのにすっきり安定した印象を与えます。
これは女神を中心とした三角型の構図、型苦しくない自由さと優しさを表す、「シンメトリ―崩し型」の構図が取れているためです。
レ・ミゼラブルへの影響
女神の右側にいる銃を持った少年は、7月革命後の世界を描いたヴィクトル・ユゴーの小説、『レ・ミゼラブル』の登場人物のガヴローシュのモデルとなったと言われています。
参考文献
画家大友義博
『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)
美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。
東京藝術大学 秋元雄史
『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)
西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。
東京藝術大学 布施英利
『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)
パリの美術館に所蔵してある作品を基に美術史を解説。初級→中級前半向け
構図を学ぶ第一歩はこれ
『巨匠に学ぶ構図の基本』(内田広由紀)
絵を加工して構図を変え、2枚並べてみてどちらが良いかを検討する本。