はじめに
今回はモーリス・ラヴェルの『クープランの墓』を解説していきます。
『クープランの墓』解説
成立
『クープランの墓』は20世紀に活躍したフランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1914年から17年にかけて作曲したピアノ組曲です。
構成としては、「プレリュード(前奏曲)」「フーガ」「フォルラーヌ」「リゴドン」「メヌエット」「トッカータ」の6曲となっています。
クープランとは?
クープランというのは、18世紀のフランスの作曲家である、フランソワ・クープランのことです。
とはいっても、この曲がクープランの追悼のために作られたというわけではなく、クープランに代表されると18世紀フランス音楽全体への敬意を込めて作ったものだとラヴェルは語っています。
つまり、この曲は先人たちへの賛歌であり、敬意を込めて作られた墓碑であると考えることができます。
亡くなった友たちへ
ラヴェルは第一次世界大戦が起きると志願して戦場へ向かいました。そこで何人もの友人を失いました。『クープランの墓』の6曲は、それぞれ亡くなった友人たちに捧げられています。
1曲1曲が緻密に構成されております、高度な作曲技法に支えられた『クープランの墓』は、フランス近代音楽を代表する名作として知られ、繰り返し演奏されています。
参考文献
この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。
音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。