フランス三代劇作家の一人、モリエールの代表作は?

はじめに

今回はフランス三代劇作家の一人、モリエールの代表作を紹介していきたいと思います。

モリエール 代表作

モリエールとは?

フランスでは17世紀、絶対王政の時代ということもあって、秩序や均衡、調和、典雅、気品を主調とする古典主義の作品が流行します。ただし、この時代の古典主義作品では活力ある市民の姿も描かれ、貴族社会が風刺されることもあったということは留意しておく必要があります。

絶対王政といえば何と言ってもルイ14世

そんなフランスの17世紀古典主義の中で、三人の劇作家がその名を残しています。それが、スペインの青年騎士を主人公にした『ル・シッド』を残したコルネイユ、『アンドロマック』や『フェードル』という古代ギリシャを舞台にした作品を残し、その台詞は最も美しいフランス語と評価されているラシーヌ、そしてモリエールです。

コルネイユ
ラシーヌ

代表作

『タルチュフ』

モリエールの代表作の一つが『タルチョフ』。これは偽善によって成り上がるペテン師を描いた作品で、悪徳宗教家らをも批判しました。時のルイ14世とキリスト教信者はこの作品に不快感を持ち、作品は公開禁止となりました。

『タルチュフ』の一場面
『ルイ14世とモリエール』

『人間嫌い』

そしてもう一つ有名な作品が『人間嫌い』。偽善的な上流社交人を鋭く描く一方、偽善を憎むうつ病タイプの貴族の主人公が社会に挫折し、人間嫌いになっていくさまを描いています。「ミザントロープ(人間嫌い)」という言葉は現代語にもなっています。

1719年の刊行版の表紙

参考文献

この記事は『人物で読み解く世界史 365人』(佐藤優監修)を参考にしています。

人にフォーカスを当てて世界史を勉強できる本。歴史にそこまで詳しくない人でも分かりやすく、集中力を持続して読める本です。