はじめに
今回は百人一首のNo29『心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花』の解説していきます。
『心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花』解説
作者は?
この歌の作者は凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)です。
九世紀後半から十世紀初頭の人で、親交のあった紀貫之(No35に歌が収録)らとともに『古今集』の撰者となりました。
意味・現代語訳は?
『心あてに折らばや折らむ初霜の置きまどはせる白菊の花』の意味・現代語訳は以下のようになります。
「あて推量で、もし折るというならば折ってみようか。初霜を置いて見分けもつかないように紛らわしくしている白菊の花を」
品詞分解は?
①心あてに
心あて…名詞
に…格助詞
「あて推量に」の意味
②折らばや折らむ
折ら…ラ行四段活用の未然形
ば…接続助詞
や…係助詞
折ら…ラ行四段活用の未然形
む…意志の助動詞の連体形
③初霜の
初霜…名詞
の…格助詞
④置きまどはせる
置きまどはせ…サ行四段活用の命令形
る…存続の助動詞の連体形
⑤白菊の花
白菊…名詞
の…格助詞
花…名詞
修辞法は?
句切れ
この歌は二句切れとなっています。「折らむ」の「む」が、その前の「や」を受けて連体形となっています
体言止め
一番最後に「白菊の花」が最後にくることで体言止めとなっていますね。
倒置法
「折らばや折らむ」と「初霜の置きまどはせる白菊の花」の語順が入れ替わる倒置法となっています。
参考文献
この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。
百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。