はじめに
今回は百人一首のNo21『今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな』を解説していきます。
『今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな』解説
作者は?
この歌の作者は素性法師(そせいほうし)。九世紀後半から十世紀初頭の人です。
清和天皇に仕えた後、父に命じられて出家し、紫野の雲林院に住みました。
意味は?
『今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな』の意味は以下のようになります。
「今すぐ来ようとあの人が言ってきたばかりに、九月の夜長を待ち続けているうちに有明の月が出てきてしまったことだ」
品詞分解は?
①今来むと
今…副詞
来…カ行変格活用の未然形
む…意志の助動詞の終止形
と…格助詞
②言ひしばかりに
言ひ…ハ行四段活用の連用形
し…過去の助動詞の連体形
ばかり…副助詞
に…格助詞
③長月の
長月…名詞
の…格助詞
④有明の月を
有明…名詞
の…格助詞
月…名詞
を…格助詞
⑤待ち出でつるかな
待ち出で…ダ行下二段活用の連用形
つる…完了の助動詞の連体形
かな…終助詞
参考文献
この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。
百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。