はじめに
今回は源氏物語、末摘花の巻を解説します。
末摘花巻 解説
読み方は?
末摘花は「すえつむはな」と読みます。
あらすじは?
怪死をとげた夕顔のことを忘れられない光源氏は夕顔と同じように優しい性格で心細い身の上の女君を探していました。
ある春の日、光源氏は乳母の娘である大輔命婦(たいふのみょうふ)から、亡くなった常陸宮(ひたちのみや)の姫君が一人さびしく暮らしていることを聞かされ興味を持ちます。
光源氏は命婦の案内の元、梅の香りがするおぼろ月夜に常陸宮邸を訪れます。姫君のかなでる琴の音を聞いて光源氏は恋心をつのらせます。後をつけてきていた頭中将とともに姫君に文をおくりますが、はかばかしい返事は得られませんでした。
秋になってやっと光源氏は姫君と契を交わすことができました。しかし、姫君は極度のひっこみじあんで、コミュニケーションもままなりません。
光源氏は落胆し、通いも途絶えがちになりますが、雪のひどく降る夜に姫君のもとを訪れます。その朝、姫君の顔を見て驚愕します。彼女はまごうことなき不細工だったのです。服装も時代遅れで非常識、防寒のためとはいえ黒貂(くろてん)の皮衣を着ており、流石の光源氏も閉口します。
しかし、それでも見捨てないのが光源氏。他に寒さをしのぐすべのない姫君の貧しさを理解した光源氏は姫君を末永く援助することを心に決めました。
末摘花の顔とは?
末摘花の顔の特徴としては、とりわけ、長く垂れ下がっている上に先が赤い、べに色の鼻が挙げられます。
名前となっている「末摘花」の由来も、末摘「花」(ベニバナ)と姫君の「鼻」をかけた歌を光源氏が詠むためだからです。
参考文献
この記事は『はじめて読む源氏物語』(藤原克己監修)を参考にしています。
知識ゼロからでも分かるように書いてくれているので、興味はあるけど取っつきにくいという方にもオススメの一冊です。