聖武天皇

はじめに

今回は第45代天皇、聖武天皇を解説します。

聖武天皇は生没年は701〜756年、在位年724〜749年とされ、奈良時代の天皇とされています。

父の文武天皇天皇が若くして亡くなったため、祖母の元明天皇、伯母の元正天皇が中継ぎ役を果たし、24歳のときに聖武天皇が即位しました。

即位の際に母である宮子(藤原不比等の娘)に「大夫人」の称号を与えることにしたのですが、これを左大臣・長屋王(ながやおう)が問題視。

この長屋王の存在が目障りになった藤原四兄弟が、長屋王に謀反の罪を着せて自害に追い込みます(長屋王の変)。

しかし、その後、藤原四兄弟も737年に蔓延した天然痘にかかって全員死んでしまいます。この他にも人民の多くが天然痘によって亡くなり聖武天皇は心を痛めました。

心を痛めた聖武天皇は信仰していた仏教に救いをもとめるため、諸国に国分寺を建立しました。

東大寺の盧遮那物の造営にも力を注ぎ、752年には菩提僊那(ぼだいせんな)を招いて開眼供養絵が催されました。

ところが、その願いも虚しく、実際には大規模な建設工事によって財政事情は悪化、農民層にかかる負担は重くなり、餓死者は増加、社会情勢が悪化したと言われています。

この記事は『ビジュアル百科写真と図解でわかる！天皇〈125代〉の歴史』(山本博文監修)を参考にしています。

歴史に詳しくなくても気軽に読める本です。天皇に興味ある方は是非。