ポール・セザンヌの『林檎とオレンジ』を解説~静物画なのに躍動感

はじめに

今回はオルセー美術館所蔵、ポール・セザンヌの『林檎とオレンジ』について解説していきます。

セザンヌとは?

セザンヌとは?

ポール・セザンヌ(Paul Cézanne, 1839-1906年)は、フランスの画家です。

当初はモネやルノワールらとともに印象派のグループの一員として活動していましたが、1880年代からグループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求しはじめます。

ポスト印象派の画家として紹介されることが多く、20世紀の美術に多大な影響を与えたことから、しばしば「近代絵画の父」として言及されます

セザンヌの代表作

『サント・ヴィクトワール山』(1887年、コート―ルド美術館所蔵)
『カードプレイヤー』(1892年、コート―ルド美術館所蔵)

『林檎とオレンジ』解説

一見、瑞々しく果物を描いた静物画です。しかし、静物画なのに躍動感があります

『林檎とオレンジ』(1895-90年、オルセー美術館所蔵)

細部を見ると、皿は傾いていたり、器は歪んでいたり、リンゴも今にも落ちそうなものがあったりします。

セザンヌは、対象を様々な角度から観察し、その対象が一番輝いている角度から描くことでモチーフの一つ一つを充実させています。まるで存在の喜びを謳いあげているかのようです。

さらに、ナプキンや皿の白さに果物の色が映え、背景の緑が補色効果でその鮮やかさを一層際立たせ、果物に生命力を与えています

この絵で用いられている「多視点」は、後のピカソやマティス、ブラックなどの現代画家に強い影響を与えていくことになります

『座っている女性』(ピカソ、1909年、ベルリン新ナショナルギャラリー所蔵)
『Auguste Pellerin II,』(マティス、1916-17年、フランス国立近代美術館所蔵)
『五本のバナナと二つの梨』(ブラック、1908年、フランス国立近代美術館所蔵)

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

東京藝術大学 布施英利

『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)

パリの美術館に所蔵してある作品を基に美術史を解説。初級→中級前半向け

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