ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』を解説~ルーブル美術館所蔵

はじめに

今回はルーブル美術館所蔵、ドラクロワの『民衆を導く自由の女神』について解説していきます。

ドラクロワとは?

ドラクロワとは?

フェルディナン・ヴィクトール・ウジェーヌ・ドラクロワは、フランスの19世紀ロマン主義を代表する画家です。

作品

『自画像』(1837年、ルーブル美術館所蔵)
『ダンテの小舟』(1822年、ルーブル美術館所蔵)
『ハムレットとホレイショー』(1839年、ルーブル美術館所蔵)

『民衆を導く自由の女神』解説

『民衆を導く自由の女神』解説

1830年に起きたフランスの7月革命を主題とし、寓意的アプローチをした作品です。

Battle at the Rue de Rohan、Hippolyte Lecomte作、カルナヴァレ博物館所蔵

戦いに倒れ息絶えた兵士と、手に剣や銃を取り同胞の屍を乗り越えて前進する市民の姿が、この革命の猛威と凄惨さを克明に表しています。

『民衆を導く自由の女神』(1830年、ルーブル美術館所蔵)

中央にはトリコロールカラーの旗を掲げて民衆を鼓舞する「自由の女神」。胸を大きくはだけた大胆な姿ですが、女性は自由を乳房は母性―母なる祖国を、というように、ドラクロワはさまざまな理念を比喩で表現しています

構図

自由の女神がこの絵の主人公ですが、激しい動きなのにすっきり安定した印象を与えます

これは女神を中心とした三角型の構図、型苦しくない自由さと優しさを表す、「シンメトリ―崩し型」の構図が取れているためです

『シャイム・スーティンの肖像』(モディリアーニ作、1916年、ワシントン・ナショナルギャラリー所蔵)
同じく「シンメトリ―崩し型」の作品。目つきは悪いですが、曲線が用いられておりリラックスした印象を与えます。

レ・ミゼラブルへの影響

女神の右側にいる銃を持った少年は、7月革命後の世界を描いたヴィクトル・ユゴーの小説、『レ・ミゼラブル』の登場人物のガヴローシュのモデルとなったと言われています

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

東京藝術大学 布施英利

『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)

パリの美術館に所蔵してある作品を基に美術史を解説。初級→中級前半向け

構図を学ぶ第一歩はこれ

『巨匠に学ぶ構図の基本』(内田広由紀)

絵を加工して構図を変え、2枚並べてみてどちらが良いかを検討する本。

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