ボッティチェリの『プリマヴェーラ(春)』を解説~表情豊かな神々

はじめに

今回はウフィツィ美術館所蔵、ボッティチェリの『プリマヴェーラ(春)』について解説していきます。

ボッティチェリとは?

ボッティチェリとは?

サンドロ・ボッティチェッリ(1455-1510年頃)は、ルネサンス期のイタリアのフィレンツェ生まれの画家で、本名はアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピ。

ボッティチェッリとは、兄が太っていたことから付いた「小さな樽」という意味のあだ名です。

主な作品

『ヴィーナスの誕生』(1485年、ウフィツィ美術館所蔵)
『マニフィカトの聖母』(1483-85年、ウフィツィ美術館所蔵)
『地獄XXXI』(神曲の挿絵)

『プリマヴェーラ(春)』解説

『プリマヴェーラ(春)』解説

「春の寓意」ともよばれる本作は、美術史上最も難解で謎に満ちた作品の一つとして知られています。

一般的には、以下の様なストーリーで知られています。

『プリマヴェーラ(春)』(1477-78年頃、ウフィツィ美術館所蔵)

冬が過ぎ去った森に西風の神ゼフィロス(一番右)が現れ、土の中に眠っていた妖精クロリス(右から二番目)を呼び起こし、やがてクロリスは春の花を生み出し、春の女神・フローラ(右から三番目)へ変身する。花々に囲まれた森には女王ヴィーナスが出現し、美の女神、貞潔の女神、愛の女神の三美神が舞い踊る。

美しく豊かな春の訪れを擬人的に表現したと言われています。

この作品はロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・デ・メディチの結婚を祝う目的で描かれたと考えられています。本作を含めボッティチェリの神話画には祝婚画であったものが多く、愛と自由の女神はピッタリだったことでしょう。

表情豊かな神々

ゼフィロスとクロリス

ゼフィロスとクロリス

大きく目を見開き西風ゼフィロスのほうを振り返る大地の女神クロリスの顔は恐怖にこわばっています。髪の毛はゼフィロスの口から吹き出る強風にあおられ大きく乱れています。口から花がこぼれ出る瞬間です。

プリマヴェーラ

プリマヴェーラ

春の女神プリマヴェーラは細い眉にはかなげな視線。頭と首周りには花で編んだ頭飾りと首飾りで春の女神であることを示しています。

ヴィーナス

ヴィーナス

主人公ヴィーナスはプリマヴェーラよりもふっくらした様子です。『ヴィーナスの誕生』のヴィーナスよりもこちらの方が若々しい印象です。彼女は首を前にかしげ、おだやかなまなざしで私たちを彼女の領国に招きます。

『ヴィーナスの誕生』のヴィーナス
いくら何でも美し過ぎませんか?

三美神

三美神

三美神は他の女神たちと違い、様々なアクセサリーを身に付け、髪も思い思いに結ってあります。ルネサンスのヘア・スタイルのカタログのようです。

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

もっと知りたいボッティチェリ

『もっと知りたい ボッティチェリ 生涯と作品』(京谷啓徳)

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