歌川広重の東海道五十三次No.5『保土ヶ谷 新町橋』解説~虚無僧とは?神奈川宿から保土ヶ谷宿へ

はじめに

今回は歌川広重の東海道五十三次No.5『保土ヶ谷 新町橋』を解説していきます。

東海道五十三次『保土ヶ谷 新町橋』解説

虚無僧とは?

橋の上には深編笠をかぶった虚無僧がおり、宿場の入り口にさしかかっています。その左には駕籠の一行がいます。

虚無僧とは禅宗の一派である普化宗の有髪の僧のことで、筒形の深編笠がトレードマーク、左腰には錦の袋に入れた尺八を指しています。この尺八を吹きながら喜捨を求めて全国を行脚していたそうです。

もっとも、虚無僧とは禅僧とはいいながら、実質的には遊芸人だったという者も多く、また、虚無僧とは世を忍ぶ仮の姿で、実は仇討の旅というケースもあったそうです。

神奈川宿から保土ヶ谷宿へ

広重は視点を低く取り、神奈川宿から保土ヶ谷宿を水平に眺めた風景を描いています。そのために、鑑賞者も橋を渡る旅人と同じ気分で画面の中の世界に入っていくことができるのです。

橋の向こうの街道の両脇には旅人の一群が目に入ります。彼らの存在が、東海道がさらに先へ伸びているという事実を我々に感じさせてくれる仕組みになっているんですね。

画面に奥行を与える工夫は?

画面の左端に目を向けてみるとのどかな田園風景が広がっています。右側に家が密集しているのとは対照的で、視界が一気に開けています。本旨とは関係なさそうなこの描写により、画面に奥行がでるばかりではなく、人が集まっているところのエネルギーや賑わいが、のどかな自然との対比で感じやすくなっています。

北斎の富嶽三十六景の保土ヶ谷

参考文献

この記事は『謎解き浮世絵叢書 歌川広重 保永堂版 東海道五拾三次』(町田市市立国際版画美術館監修 佐々木守俊解説)を参考にしています。

広重、東海道五十三次に興味ある方は是非。旅をしている気分になれますよ。

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