百人一首No.18『住の江のきしによる波よるさへや』解説〜意味・品詞分解・序詞

はじめに

今回は百人一首のNo.18『住の江のきしによる波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ』を解説していきます。

『住の江のきしによる波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ』解説

作者は?

この歌の作者は藤原敏行朝臣(?〜907?)。

三十六歌仙の一人で、在原業平(No.17に歌収録)とは妻同士が姉妹で親交がありました。和歌に加えて書にも優れていたそうです。

意味は?

『住の江のきしによる波よるさへや夢の通ひ路人めよくらむ』の意味は以下のようになります。

「住の江の岸による(寄る)波のよる(夜)ではないが、夜でも夢の通い路を通って逢えないのは、あの人が夢の中でも人目を避けているからであろうか」

何とも幻想的な歌ではないですか。好きな人と恋人になる夢なんか見て起きたときにガッカリするなんて話はよく聞きますが、その日の日中にその人に会えないと、朝の悔しさも忘れて「せめて夢の中でもいいから会いたい…」となったりします。しかしそんな時に限って夢の中でも会えない…。そんな青酸っぱい青春のヒトコマがよく表現されていると思います。

品詞分解(序詞)は?

①住の江の(序詞)

住の江…固有名詞

の…格助詞

①②全体が③の頭の「よる」にかかる序詞となっています。

②岸による波(序詞)

岸…名詞

に…格助詞

よる…ラ行四段活用の連体形

波…名詞

①②全体が③の頭の「よる」にかかる序詞となっています。

③よるさへや

よる…名詞

さへ…副詞、添加の副詞で「昼のみならず夜までも」となります

や…係助詞

④夢の通ひ路

夢…名詞

の…格助詞

通ひ路…名詞、男が女のもとに通ってくる道のこと。ここでは夢。

⑤人めよくらむ

人め…名詞

よく…カ行下二段活用の終止形、推量の助動詞

らむ…推量の助動詞の連体形、③の「や」を受けて連体形になっています

参考文献

この記事は『シグマベスト 原色百人一首』(鈴木日出夫・山口慎一・依田泰)を参考にしています。

百人一首の現代語訳、品詞分解も載っています。勉強のお供に是非。

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