能『道成寺』解説〜登場人物、あらすじ

はじめに

今回は能『道成寺』の登場人物やあらすじを紹介していきます。

『道成寺』解説

基本情報

作者

不明

曲籍

四番目物

囃子

太鼓物

上演時間

約105分

曲名

「道成寺」(観世・宝生・金春・金剛・喜多)

登場人物

前シテ

白拍子(烏帽子など男装をして「白拍子」という舞を舞う女芸人) 

後シテ

蛇体

ワキ

道成寺住僧

ワキツレ

従僧

アイ(二人)

能力(のうりき、てらで力仕事をする下級の僧)

あらすじ

始まり

舞台は春の紀州・道成寺。

訳があり、長らく鐘楼の鐘が無くなっていた道成寺でしたが、それを再興することになり、今日はそれを上げる「鐘供養」の日です。道成寺の僧は能力を呼び出し、鐘を供養することを告げます。

能力は吊り上げたことを僧に報告。僧は理由を語らないままほうえは「女人禁制」だと告げて立ち去り、能力は言われた通りに触れまわります。

白拍子登場

鐘供養があると聞いた白拍子。彼女は仏縁を結び、これまでの七罪を消そうと日が傾きかけている中、道成寺へと急ぎます。

「鐘入り」

道成寺についた白拍子は、鐘の番をしている能力に声をかけ、拝ませてほしいと頼みます。

能力は女人禁制を理由に一度は断りますが、彼女が白拍子だと聞き、烏帽子をつけて舞を見せてくれたら立ち入りを許す、と言います。

白拍子は烏帽子をつけて扇を取り舞います。舞っているうちに鐘に近づいた白拍子は、「思えばこの鐘、恨めしや」の言葉を残し、落ちてきた鐘の中へ消えてしまいます。

鐘が落ちてきたことに能力二人は驚き慌てます。鐘はなぜか非常に熱くなっています。住僧に報告しなければなりませんが、二人とも言いつけを破ったことを怒られるのが怖く、お互いに押し付け合います。結局、能力の一人が報告へ行くと、案の定、住僧に怒られました。

鐘の逸話

能力の話を聞いた住僧が、鐘にまつわる話を語り始めます。

昔、ある娘が、一夜の宿を貸した山伏に恋をしました。しかし山伏にその気はなく、密かに宿を抜け出します。

裏切られたと感じた娘は必死に後を追います。山伏は道成寺に掛け込み、鐘の中に匿われました。

しかし、執心のあまり娘は毒蛇に姿を変えて鐘に巻き付き、恋の炎で全てを焼き尽くした…

蛇体登場

住僧は語り終えると、従僧とともに鐘に向かって祈りだします。鐘が上がると、その中には蛇体が座っていました。白拍子は仮の姿だったのです。

対決

住僧たちは、蛇を祈り伏せようとします。

一進一退の戦いの末、法力が勝り、蛇体は日高川へと身を投げたのでした。

参考文献

この記事は『これで眠くならない!能の名曲60選』(中村雅之著)を参考にしています。

観劇の前の予習にはもちろん、能を教養として知っておきたいけど敷居が高いと感じる方にも最初の一冊にオススメです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です