ルーブル美術館に行って来ました、感想~「叫ぶ」という行為+魔の927号室

はじめに

今回はパリのルーブル美術館に行ってきたので印象に残った絵など含めて感想を書いていきたいと思います。

彫刻エリアはまさに天上界

感想

ジェリコー『メデュース号の筏』

私は音が聞こえてくる絵が好きです。ロマン派絵画の巨匠、テオドール・ジェリコーの代表作、『メデュース号の筏』からは海の上を吹き荒れる暴風、そして命を懸けた人々の切実な叫び声が聞こえてきます。

この絵画は実際にあった事件をもとにしているわけですが、鑑賞の際にはそんな知識的なことははっきり言ってどうでも良くなります。時代を超えて、人種の壁を越えて我々に語り掛けてくるものをこの絵は持っています。

船が見えるや否や沈みかけた筏から生きることをあきらめずに助けを求める者、とっくに力尽きてしまっている者、叫びたいけれども立ち上がれないのか手だけ伸ばす者、物憂げな表情をしたままそっぽを向くもの…

人物の描き分けも見事で「もし自分がこの中にいたらどのポジションに位置しているだろうか」と考えずにはいられません。先頭に立つ者と共に諦めずに生を求めることができるか?

話は変わりますが「叫ぶ」という行為は非常に根源的なものであると思うのです。飾られることのない感情がダイレクトに表現されます。絶叫、悲鳴、歓喜…。ムンクの『叫び』も例外ではありません。

もちろん美術史的な知識を持って作品を鑑賞するのも楽しいのですが、何も前提が無くても不変な問いを投げかけてくれるのも名画たる由縁です。

手前の男の比べてもらえると絵のサイズ感が分かるかと思います笑
もう全てが彫刻なんです。全員の身体の体幹がしっかりしていて見ているだけで幸せになります。

魔のシュリ―翼2階927号室

もう一つ衝撃的だったのだシュリ―翼2階927号室に飾ってあったフランソワ・ブーシェの一連の絵画(2020年2月末時点なので作品の場所が移動になる可能性はあります)。

入って「ほぉ~」と絵を見ていたのですが気づいたら部屋から出られなくなっていました。いくら何でも美しすぎる。

「色彩豊か」という言葉が府に落ちたのは初めてかもしれません。絵画はやっぱり実物で観た方が良いと改めて実感しました。

鮮やかなブルー、華麗な世界観。天使の浮遊感などもと非常に上手く表現されている様に思います。「この部屋から出たくない」と思ったのは美術館訪問をして初めてでした。まさに麻薬。

ブーシェの描く女性の顔は大体一緒なのですが、私はあの不思議ちゃんっぽいというかミステリアスな目が大好きです。

その他、超有名作品の感想

モナ・リザ

ルーブル美術館と言えばモナ・リザなのですが、残念ながらこれといった印象派抱けませんでした。スフマートとだからぼやけているのはもちろんそうなのですがもう少し美術的な教養が必要なのかもしれません…。

ただ遠目からみてふっと思ったのが「あれ、男っぽい?」ということ。頬から顎のあたりが少し暗めになっているのでそれが髭に見えたり、妙に広い肩幅など、女装した男性っぽいなーと個人的に感じました。

2011年には「モナ・リザのモデルは男」という説がイタリアの研究チームから出されています。ルーブル美術館には否定されてしまったそうですが、私は男であってもなんら不思議ではないと思います。

サモトラケのミケ

めっちゃ体幹がしっかりしてる。それが第一印象。そして『メデュース号の筏』と一緒で風の音が聞こえてくる。まさにタイタニックの一場面。

最近社交ダンスを習い始めたのですが「体幹をしっかりすること」「恥ずかしがらずに全身で表現すること」と指導されます。この彫刻はその両方が出来ています。見習わなければ。

終わりに

私自身、美術のことは勉強中で偉そうなことは言えないのですが、是非とも一度訪れて欲しい美術館であることは断言できます。知識はなくとも、作品に表現されているものは時と場所を選ばず通用するものばかりです。莫大な数の作品や美術界の権威に圧倒されそうになりますが、肩を張らずにフラットに鑑賞すれば今のあなたに心からマッチする作品というのが必ずあるはずです。