ドミニク・アングルの『泉』を解説~画家晩年の裸婦の最高傑作

はじめに

今回はオルセー美術館所蔵、アングルの『泉』について解説していきます。

アングルとは?

アングルとは?

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(1780-1867)は、フランスの画家です。

19世紀前半、当時台頭してきたドラクロワらのロマン主義絵画に対抗し、ダヴィッドから新古典主義を継承しました。

アングルはデッサンを非常に重視し、正確な描写、安定した構図をとるなど古典的な画家でしたが、それでも『オダリスク』や『泉』、『トルコ風呂』など解剖学的には正しくない独自の歪曲が見て取れ、その歪曲こそが彼の絵を特徴づけ、魅力あるものにしているのです。

新古典主義とは?

新古典主義とは、18世紀中頃から19世紀初頭にかけて、西欧で建築・絵画・彫刻など美術分野で支配的となった芸術思潮です。

ルーブル宮殿

それまでの装飾的・官能的なバロック、ロココの流行に対する反発を背景に、より確固とした荘重な様式をもとめて古典古代、とりわけギリシアの芸術が模範とされました

『ホラティウスの誓い』(ダヴィッド、1784年、ルーブル美術館所蔵)
『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョセフィーヌの戴冠式』(ダヴィッド、1805~07年、ルーブル美術館所蔵)

アングルの代表作

『グランド・オダリスク』(アングル、1814年、ルーブル美術館所蔵)
『シャルル7世の戴冠式でのジャンヌダルク』(1854年、ルーブル美術館所蔵)
『トルコ風呂』(1863年、ルーブル美術館所蔵)

『泉』解説

新古典主義を代表する画家であるアングルが晩年に完成させた裸婦の最高傑作です。フィレンツェ滞在中の44歳のときにすでに素描を試み、完成したのは76歳の時でした

『泉』(1856年、オルセー美術館所蔵)

古代彫刻の様なプロモーションと肌の女性が、古代彫刻のようなポーズ(腰を左にひねり、肩は逆の右が上がる、コントラポストのバランスになっている)をとる、泉の擬人像が描かれています。

瓶を肩に乗せ水をあふれさせている姿はやや不自然ですが、これは対象を忠実に描くことよりも繊細さや優美さを重視したからです。そのため、なまめかしさが加味され、女性の内面的な美しさまで描かれているかの様です

参考文献

画家大友義博

『一生に一度は見たい西洋絵画 BEST100』(大友義博)

美術に苦手意識がある人はこの本から読みましょう。

東京藝術大学 秋元雄史

『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』(秋元雄史)

西洋美術の知識が少ない人はまずこの本から読みましょう。

東京藝術大学 布施英利

『パリの美術館で美を学ぶ ルーブルから南仏まで』(布施英利)

パリの美術館に所蔵してある作品を基に美術史を解説。初級→中級前半向け

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