モーリス・ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』解説〜亡き王女とは?パヴァーヌとは?

はじめに

今回はモーリス・ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』を解説していきます。

『亡き王女のためのパヴァーヌ』解説

成立

『亡き王女のためのパヴァーヌ』はラヴェルが1889年に作曲したピアノ曲です。後に管弦楽用に編曲され、そのノスタルジー風な曲風から人々に愛される曲となっています。

「亡き王女」とは?

「亡き王女」とは一体誰のことなのでしょうか?

「亡き王女」とは17世紀のスペイン王女、マルガリータのことだといわれています。ラヴェルはルーブル美術館でディエゴ・ベラスケスが描いた彼女の肖像画を見て曲のイメージを膨らませたと考えられています。

ルーブル美術館にある2歳ごろの王女の肖像画
『青いドレスの少女』(ベラスケス、ウィーン美術史美術館所蔵)
マルガリータは神聖ローマ帝国の皇帝に嫁ぎ、6人の子どもをもうけますが、21歳の若さでこの世を去りました。ベラスケスの描いた彼女の肖像画はいずれも幼い頃のものです。

「パヴァーヌ」とは?

パヴァーヌとは16世紀のイタリアで流行した宮廷舞踏曲で、イタリアの街パドヴァがなまったパーヴァという言葉に由来しており、ゆっくりとした踊りで基本となるステップを繰り返し、優雅な動きを特徴としています。

特徴

この曲の調は、長調と短調とも区別しにくく、ルネサンス時代以降の音楽に特徴的な旋法的な音楽です。主旋律を奏でるホルンの響きが牧歌的でノスタルジーな印象を与えます。

ラヴェル自身、この曲は「スペインの宮廷で小さな王女が踊ったような曲」だと語っています。

ラヴェルはフランスの南西部のスペインとの国境に近いシブールに生まれました。母親もスペイン人だったラヴェルは子供の頃からスペイン民謡にも親しんでおり、その経験も『亡き王女のためのパヴァーヌ』に影響を与えていると考えられます。

是非、その優しい響きの曲調につつまれてリラックスしてみませんか?

参考文献

この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。

音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。

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