能『鉄輪』解説〜あらすじ、内容

はじめに

今回は能の『鉄輪』を解説していきます。

『鉄輪』解説

読み方

「鉄輪」は「かなわ」と読みます。

基本情報

作者

不明

曲籍

四番目物

囃子

太鼓物

上演時間

約70分

曲名

「鉄輪」(観世・宝生・金春・金剛・喜多)

登場人物

前シテ

後シテ

女ノ生霊

ワキ

安倍晴明

ワキツレ

アイ

社人

あらすじ・内容

お告げ

貴船神社の社人は神から不思議なお告げを受けます。そしてそれを「丑刻詣り」に来た女に伝えるように言われたため、女を待ちます。

女、鬼の形相

女が浮気する男と結ばれてしまったことを嘆きながら、「丑刻詣り」をするために貴船神社へと向かっています。

女が貴船神社にやってきました。社人は女に「家に帰り赤い衣を着て、顔2赤土を塗り、頭に鉄輪を乗せて三つの足にロウソクを灯し、激しい怒りの心を持てば、たちまち鬼になれるだろう」というお告げを告げます。

女は自分には関係のないことだと言いますが、そうしているうちにも形相が鬼に変わり始めます。社人は逃げ、女はお告げのとおりにしようと家に帰ります。

安倍晴明、登場

舞台は安倍晴明の屋敷。ある男が最近悪い夢を見るため、清明に占ってもらうためにやってきました。

安倍晴明は、女の恨みで今夜のうちに命の危険が訪れる、と男に告げます。男はちょうど本妻と離縁し、新しい妻を迎えたところだったのでした。

対決

清明は男に、女の恨みが積もりに積もっておりもう手遅れだと述べますが、男は何とかしてほしいと懇願します。そこで、清明が祈りを始めます。

すると、現れたのは頭に乗せた鉄輪にロウソク灯した恐ろしげな表情の女の生き霊でした。女は男に捨てられた恨みと悲しみを語ります。

女は男の命を奪おうとしますが、「三十番神」に阻止され、力尽きます。

「時を待って、また現れる」といえ声を残して、女は消えていきました。

※三十番神…最澄が鎮護国家・天下泰平を祈り、比叡山に祀った全国三十の神社の祀神

参考文献

この記事は『これで眠くならない!能の名曲60選』(中村雅之著)を参考にさせて頂いております。

観劇の前の予習にはもちろん、能を教養として知っておきたいけど敷居が高いと感じる方にも最初の一冊にオススメです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です