葛飾北斎の『富岳三十六景 神奈川沖浪裏』を解説~『モナ・リザ』に並ぶ世界の絵画

はじめに

今回はメトロポリタン美術館所蔵、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』について解説していきます。

自画像
北斎には人を笑わせる才能がありますね

『神奈川沖浪裏』解説

世界の北斎

北斎の作品は、西洋の画家に衝撃をもって受け止められ、印象派にも多大な影響を与えたといわれています(北斎もオランダの風景画に影響を受けていました)。

中でも存在感を放っているのが『神奈川沖浪裏』と『北斎漫画』です。

『北斎漫画』

『北斎漫画』の一部
裸の男たちが踊っているようにしか見えません笑

自らを「画狂人」と名乗った北斎は、本の挿絵、役者絵、美人画、武者絵、春画に妖怪画など、あらゆるジャンルを手掛け、「森羅万象を描く絵師」と呼ばれます。

こちらはなんとも可愛らしい

その技法をまとめたのが『北斎漫画』。北斎が絵手本として発行したスケッチ画集で、人物はもちろん風俗、動植物、妖怪変化まで約4000の図が収められています。

妖怪画
妖怪と戯れる老人?意思疏通を取っているように見えます

『北斎漫画』はヨーロッパに渡った後、ドガやロートレックといった有名な画家たちが参考にしたといわれています。

『神奈川沖浪裏』

ゴッホが弟テオに宛てた手紙の中で絶賛し、フランスの音楽家クロード・アシル・ドビュッシーが代表曲の一つである交響曲「海」を、この作品を仕事場に掲げて作曲したというエピソードも残っているぐらい、当時のパリの芸術家に大きな影響を与えた一枚です。

『神奈川沖浪裏』(葛飾北斎、メトロポリタン美術館所蔵)
これは凄い
一瞬の沈黙、その後の「ざっばーん」という音が聞こえてきます。ジェットコースターで落下する瞬間の感覚に似ています
おそらく日本で最も有名な絵ではないでしょうか

小舟を飲み込まんばかりに高く盛り上がった波、白く砕けた波は指のような形で無数に分かれうねりだすようです。その荒れ狂う波の先にはこの絵の本来の主人公である富士山が遠くで静かに鎮座しています。

当時ヨーロッパから輸入された「ベロ藍」と呼ばれる化学的顔料のプルシアンブルーが使われています。大衆に向けた商業的な作品にベロ藍を使用したのは北斎が初めてで、見たことのない鮮やかな青色に当時の人々はさぞ興奮したことでしょう。

この絵は「富岳三十六景」の中でも最も有名な作品の一つで、2017年にロンドンの大映悪物館で開催された葛飾北斎の特別展では『モナ・リザ』と並ぶ世界的名画と評されました。

参考文献

この記事は以下の本、文献を参考にしています。

日本美術に興味を持った方、展覧会などに行ってもっと詳しく知りたくなった方は是非ご覧になってください。