ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』解説〜「皇帝」=ナポレオン?

はじめに

今回はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番『皇帝』を解説していきます。

ピアノ協奏曲第5番『皇帝』解説

最後のピアノ協奏曲

『ピアノ協奏曲』第5番は、ベートーヴェンが1809年頃に書いた3楽章構成のピアノ協奏曲で、彼が生涯で5曲書いたとされるピアノ協奏曲の中でも最後のものとされています。

演奏時間は約40分、初演は1811年にライプツィヒで行われました。

ライプツィヒのゲヴァントハウス

「皇帝」=ナポレオン?

命名はベートーヴェンではない

『交響曲』第3番「英雄」の「英雄」はナポレオンのことを指していると言われていますが、今回の「皇帝」も彼のことを意図しているのでしょうか?

断定は出来ませんが、答えはNoに近いと考えられます。この題名はベートーヴェン本人ではなく出版社がつけたものだからです。

「皇帝」の名付け親と言われているヨハン・バプティスト・クラマー

これまでのピアノ協奏曲ではピアノ独奏が出てくるまで時間がかかったのですが、この曲ではピアニストがいきなり強烈なタッチで和音を分散させて一気に高音まで立ち上がります(当時としては先進的過ぎたのか初演は不評だったらしく、ベートーヴェンが生きている間は二度と演奏されなかったらしいです。ただ、リストがその後好んで弾いたため、人気曲となったとか)。

曲名の「皇帝」という愛称は、勇壮で重厚な曲調から出版社がつけたものであり、ベートーヴェンが特定の誰かを念頭に置いていたのではない、と考えられています。

ナポレオンへの反感

「英雄」では、皇帝になったナポレオンに失望したベートーヴェンのエピソードがありました。

占領したウィーンの街を歩くフランス軍に対しても怒りを覚えていました。当時の悲惨さとしては、オーストラリア皇帝のフランツ、そしてベートーヴェンを支援してきたルドルフ大公などの貴族も疎開の憂き目にあっていた程です。

ルドルフ大公

そんな惨憺たる状況で作られたピアノ協奏曲は流石にナポレオンを意図したものではないのではないか、と言われています。

ミケランジェリ

ゼルキン

参考文献

この記事は『366日の西洋音楽』(久保田慶一監修)を参考にしています。

音楽の知識がなくても気軽に学べる本となっています。興味のある方は是非。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です